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歪―iビつ―

noteの中では最も古い作品です。
学生レベルですが、映像化している作品になります。

登場人物
 
 貴志…主人公。5人グループの中では真面キャラ
 夏 …貴志が好き。5人グループの中でマドンナ的存在。
 陽子…夏と親友。でも夏に嫉妬している。5人グループの中ではお転婆娘キャラ。
 琢真…夏が好き。仲間意識が強く、正義感も強い。5人グループの中ではお調子者。
 一平…琢真と親友。5人グループの中で一番気が弱い。

【貴志の家】
 
貴志「(M)また…ここにいる。(文字だけ)」

貴志、電気を暗くしたまま床に寝て、死んだように動かない。
 
 回想
【学食】
貴志、夏、一平、琢真、陽子の5人が楽しそうにお喋りしている。
 
琢真「実際、俺は今年中に彼女できる」
一平「琢真君には無理だろ」
夏「ねー」
陽子「無理無理」
琢真「はぁー」
貴志「琢真はそんなこと言っても、本当はいらないって思ってるんだろ?」
琢真「んー、まぁ金無いしな。彼女作ったら金かかるだろ?」
一平「なんだよ、その言い訳」
琢真「なんだと、見てろよお前ら!」
 
 貴志も皆と同様に楽しそうにしている。皆の笑い声と共に映像がブラックしていく。
 
【貴志の家】
 
貴志「(M)うるさい。(文字だけ)」
 
ブラックから戻る。
貴志、先ほどと同様で死んだように床に寝ている。
 
貴志「(M)僕らは、何も学習しない。(文字だけ)」
 
【学校内】
貴志が歩いていると後ろから声をかけられる。
夏「貴志、おはよう」
貴志「お、夏」
夏「最近暑いね」
貴志「そうだね。早く涼しくなって欲しいね」
夏「でも私、この時期好きだよ」
貴志「名前も夏だもんね」
夏「そういうこと。誕生日もそろそろだし」
貴志「そうなんだ、なんか欲しい?」
夏「え!いいの?」
貴志「まぁ安いものなら」
夏「ありがとう、考えとくね」
 
貴志「(M)つまらない(文字だけ)」
 
夏「てか貴志、最近元気ない?」
貴志「え?そんなことないよ?なんで?」
夏「なんとなく。なんかあったら言ってね?」
貴志「うん、ありがとう」
 
貴志「(M)お前には何もわからない(文字だけ)」
 
夏、貴志、二人で楽しそうに教室へ
 
貴志「(M)お前も僕も、学習しない。(文字だけ)」
 
 
【喫茶店】
夏と陽子がお茶をしている。
 
陽子「ねぇ、結局どうなの?」
夏「え?なにが?」
陽子「何がって、貴志のこと」
夏「あぁ、うん」
陽子「脈あり?」
夏「わかんないよ」
陽子「もう告白したら?」
夏「でも、もしふられたら?すごい気まずいよ」
陽子「大丈夫でしょ。貴志、そういうところ大人だし」
夏「でも気を使われたくないなぁ…」
陽子「でも行動起こさないと、なにも始まらないよー」
夏「うん…でもなんか最近さ、貴志元気ない感じするんだよね」
陽子「そう?」
夏「うん。なんかね、話すと普通なんだけど時々淋しい顔する」
陽子「気のせいじゃない?昨日少し話したけど元気だったよ」
夏「そうかなぁ?」
陽子「そうだよ!だから早く告っちゃえ!」
夏「…でもな」
陽子「寂しそうなら、夏が支えてあげなよ」
夏「できるなら…そうしてあげたいけどな」
陽子「できるできる」
夏「でもさ…」
陽子「夏は可愛いし、優しいし、頭いいし、夏をふるとか訳わかんないよ」
夏「ありがとう」
 
【公園】
貴志、ベンチに座って本を読む。そこに陽子が来る。
 
陽子「貴志!」
貴志「なんだ陽子か」
陽子「なんだって何よ?」
貴志「いや、別に」
陽子「何~」
貴志「んで、なんか用?」
陽子「夏の気持ち気づいてるでしょ?」
貴志「何が?」
陽子「夏、あんたのこと好きなんだよ」
貴志「え?!ウソでしょ?!」
陽子「ホントだよ!これ夏には秘密ね」
貴志「お前なぁ…」
陽子「んで、あんたはどうなの?」
貴志「僕は…わかんないよ」
陽子「夏に告白されたら付き合う?」
貴志「まぁ…考えるかな」
陽子「ふぅん…」
貴志「なんだよ?」
陽子「貴志さ、最近元気ないよね?」
貴志「それ、夏にも言われた」
陽子「あっ、そうなんだ。やっぱり淋しいの?」
貴志「そんなことないよ。どう見ても元気だろ?」
陽子「そっかぁ」
貴志「だからなんだよ」
陽子「夏、貴志に告白する勇気ないみたい」
貴志「へぇ」
陽子「だからさ…あたしが告白するわ」
貴志「・・・は?」
陽子「あたしと付き合わない?」
貴志「…」
陽子「どうかな?」
貴志「(M)なんだよそれ(文字だけ)」
貴志「…本気?」
陽子「うん…」
貴志「(M)夏の親友だろ?(文字だけ)」
貴志「…」
陽子「…」
貴志「(M)ありえない。最悪…(文字だけ)」
貴志「…いいよ」
陽子「え?」
貴志「付き合おっか?」
陽子「本当に?」
貴志「(M)僕も何言ってんだよ… (文字だけ)」
貴志「うん。僕、陽子のこと嫌いじゃないし」
陽子「…嬉しい」
貴志「(M)ほんとに最悪だ。(文字だけ)」
 
そこに貴志の携帯に着信。
 
貴志「あっ、琢真からだ。はい、もしもし…」
陽子「夏、あんたが悪いんだよ…(ボソッと)」
貴志「はいよー。今から行く。(電話切る) 陽子、これから琢真んちで飲むけど来る?」
陽子「あっ!行く!」
陽子「(M)夏、あたしはあんたがむかつくんだ。(文字だけ)」
貴志「おっけい!」
陽子「(M)なんでも手に入る場所にいるのに(文字だけ)」
陽子「貴志!」
貴志「ん?」
陽子「手つながない?」
貴志「…いいよ」
陽子「(M)自分で手をのばそうとしない。(文字だけ)」
 
つないだ手をアップで撮る
 
陽子「だから、この手で奪ってやったんだ。(アフレコ)」
 
【琢真の家】
琢真「おぉー!待ってたぞ!…ってあれ?陽子もいたのか?」
陽子「悪い?」
琢真「大いに結構だぞよ!」
貴志「なんかもう酔ってない?」
陽子「あんた、先に飲んでんじゃないわよ」
琢真「いいじゃないのぉ~」
陽子「まぁいいけどさ」
貴志「さて、今日は飲むぞ!」
陽子「だねだね!」
 
貴志、冷蔵庫をあける。
 
琢真「勝手にあけんなよ」
 
中身は缶ビールと生卵だけあとはすっからかん。
 
貴志「…なんもないな」
琢真「うるさい」
 
貴志、そこからお酒を二缶もって一つを陽子に渡す。
 
陽子「ありがと」
貴志「んで、急にどうしたんだよ」
琢真「いや、せっかくそろそろ夏休みだしさ、皆でどっか行こうぜ」
陽子「それ、いいね」
琢真「去年も楽しかったしさ」
 
貴志「去年かぁ」
 
【回想-土手-】
 貴志、琢真、陽子、夏、一平の五人が花火をしてる。
 
普通に楽しんで花火しているところを、ホームビデオのように撮りたい。
BGMつき―わりと明るめ。
花火を終えて、解散する。

陽子「楽しかったね
一平「だなぁ」
夏「もう眠い…」
陽子「夏のこと、ちゃんと送りなよ。あたし達電車だから」
琢真「わかってるよ」
陽子「変なことすんなよ」
琢真「しねぇよ」
陽子「なんかされたらすぐに言いなね、夏」
夏「おっけー」
琢真「しねぇって」
貴志「じゃあ次は授業だね」
一平「だね、レポート書かないとな」
陽子「そろそろ、終電…」
貴志「だね、じゃあ解散。楽しかったよ」
夏 琢真「ばいばい (それぞれ)」
貴志 一平 陽子 「ばいばい(それぞれ)」
 
夏「皆、いっちゃったね」
琢真「だな」
夏「私達もいこうか」
琢真「おう」
 
【駅、改札近く】
陽子「あいつマジで大丈夫かな」
一平「琢真くんはそんな勇気ないでしょ?」
陽子「それもそうか」
貴志「あれ…ない」
一平「どうしたの?」
貴志「定期、置いてきたかも」
陽子「土手に?」
貴志「やっちゃった」
一平「どうする?取りに帰る?」
陽子「そうしよっか」
貴志「いや、いいよ。僕は歩いて帰れないほどの距離でもないし先行って」
陽子「大丈夫?」
貴志「うん、すまんね!とりに戻るね!またな!」
陽子 一平「気を付けて~」
 
葉子「はぁ…一平と二人かぁ」
一平「…ねぇ?」
陽子「ん?」
一平「これから、どうする(にやにや)」
陽子「速攻で帰る」
一平「だよね~…」
 
【帰り道、ベンチ】
 
夏「疲れたから休憩」
琢真「まじかよ」
夏「まぁ明日何にもないし」
琢真「俺はバイトだ」
夏「ごめん」
琢真「まぁいいけどさ」
夏「タクちゃんってホント優しいよね」
琢真「なんだいきなり」
夏「ホント色々と感謝してるんだ。ありがと」
琢真「…。なぁ、お前さ…貴志のこと好きだろ?」
夏「え?いきなりなんで?」
琢真「バレバレだよ」
夏「うそ」
琢真「なんか相談に乗れたら乗るから」
夏「でも多分無理だよ」
琢真「なんで?」
夏「貴志って私といる時つまんなそうなの」
琢真「そんなことないだろ」
夏「それに好きな人のことはなんとなくわかる、その人が自分に気がないの」
琢真「…確かにな」
夏「タクちゃんも好きな人いるんだ」
琢真「……いねぇよ」
夏「そうなの?相談乗るよ」
琢真「うるさい、休憩終わり。行くぞ!」
夏「でたでたでたそういうの~」
琢真「うるせぇ」
 
…以後アドリブで、会話しながら帰る。その背後で話を聞いてた貴志のシルエット。
 
貴志「…」
 
回想終わり
【琢真の家】
 
貴志「…」
琢真「てことで今年は、海でも行こうぜ!」
陽子「いいね、それ」
貴志「うん、いいね」
陽子「スイカわりしたい」
貴志「それは僕パス」
陽子「なんでなんで」
貴志「陽子がしてるの見てるよ」
陽子「そんなの、つまんない」
琢真「お前ら仲良いなぁ」
陽子「まぁね」
琢真「なんかお前らカップルみたい」
貴志「うん」
琢真「?」
陽子「あたし達、付き合いました」
琢真「え?いやいや今のは冗談のつもりで」
貴志「だから本当に付き合った」
琢真「は?」
貴志「まぁでも気にしないでね。これからも普通に皆で遊ぼう」
陽子「うん、だからその海の計画、幹事よろしく」
琢真「…」
貴志「?」
琢真「…お前ら…それマジ?」
陽子「うん、だからマジだって。なんで?」
琢真「…夏は」
貴志「え?」
琢真「…夏はどうなるんだよ」
陽子「夏がなんででてくるの?」
琢真「…お前ら、夏の気持ち知ってんだろ!なんだよそれ、ありえねぇよ!」
陽子「なんで。別に関係ないじゃん」琢真「関係なくねぇだろ!お前、夏の相談乗ってあげてたんじゃねーのかよ…なのになんで…なんでそんな無神経なことができるんだよ」

貴志「(M)…うるさい(文字だけ)」

陽子「は?あたしが貴志を好きになるのはいけないの?そんなのあたしの勝手でしょ?」
琢真「夏がかわいそうだろ!」
陽子「あんたが夏に惚れてるだけでしょ!勝手な言いがかりつけてあたしにあたるの辞めて!」
琢真「んだと!」
貴志「…ちよっと二人とも」
琢真「てめぇもてめぇだぞ!」
陽子「ちょっと貴志にまでやめてよ!」
琢真「…お前ら最低だよ」
貴志「…うるさいな」
琢真「は?」
貴志「うるせぇんだよ…いちいちいちいち」
陽子「…貴志」
貴志「…ごめん、帰るわ」
琢真「ちょっと待てよ!」
陽子「…貴志」
 
【琢真の家の外】
貴志が帰ろうとした所、陽子が追ってくる。
 
陽子「貴志…ごめんね、あたしのせいで」
貴志「別にいいよ」
陽子「でも」
貴志「僕たちは、付き合ってる」
陽子「うん」
貴志「なら、それで良いじゃん…、ね」
 
貴志が動こうとした所、後ろから陽子が抱きしめる。
 
陽子「行かないで」
貴志「僕さ、そんなに淋しそうにみえる?」
陽子「…」
貴志「僕は陽子にはなれないからさ、陽子のことよくわからない。陽子は僕の事わかったりするの?」
陽子「ほんとは夏が言ってたの。貴志が淋しそうだって…あたし、言われるまでわからなかった。でも…今の貴志…すごく淋しそうだよ」
貴志「そっか。お前も何もわからないんだね」
陽子「でも!」
貴志「ごめん…今日は一人になりたい」
陽子「…うん」
貴志「でも…ありがとね」
陽子「……うん」
【夜、河川敷】
貴志が、一人タバコを吸って散歩している。貴志、夏に電話。

貴志「夏…今から会えない?」

夏が来る。河川敷で二人座る。

夏「どうしたの?…大丈夫?」
貴志「夏って、今好きな人いる?」
夏「え?!な、なんで!」
貴志「いや…気になって」
夏「…貴志は?」
貴志「僕が先に聞いてる」
夏「でも…」
貴志「僕さ、陽子と付き合ったんだ」
夏「え?…」
貴志「でもさ…夏が好き」
夏「なにそれ?」
貴志「夏は?」
夏「なにそれ」

夏、泣き出す。

貴志「夏の気持ち、聞きたいな」
夏「なんで、なんで陽子と」
貴志「告白されたんだ」
夏「え?だって陽子は」
貴志「でもさ、どうでもよくない?」夏「え?」
貴志「僕さ、夏が好きだ」
夏「じゃあ、陽子と別れてよ」
貴志「それはできない」
夏「なんで?」
貴志「僕もあいつも同じだって思ったから」
夏「なにそれ?」
貴志「夏はとても綺麗だって思う。でもあいつは汚い」
夏「汚いから…付き合うの」
貴志「そう思った」
夏「なら…私も…汚くなる」
 
貴志、夏を抱きしめる。
 
夏「…!」
貴志「僕…淋しいんだ。夏…そばにいて…ほしいんだ…」
 
【貴志の家】
 布団に夏と裸で添い寝。
貴志「(M)僕は…何をしている」
夏「(M)私は…何をしている」
貴志「(M)僕は壊したかった」
夏「(M)私は壊されたかった?」
夏「(M)私はこれを望んでた?」
貴志「(M)僕はこれを望んでいた」
 
夏 貴志「(M)いや…結局、何もわからない」
 
夏「貴志」
貴志「ん?」
夏「私、汚くなったね」
 
次の日。
【教場】
そこには夏、琢真、一平、陽子がいる。そこに貴志が入ってくる。
 
貴志「何?急に呼び出して」
琢真「…何じゃねぇよ」
陽子「琢真、ウザい。だいたい何で一平まで呼ぶのよ」
琢真「一平だって、仲間だから」
陽子「何それ?」
一平「一体何があった?」
琢真「貴志と陽子が付き合った」
一平「え?」
 
一平、夏の顔を見る。夏は下を向いている。
 
陽子「それが・・なんか文句あるの?」
貴志「…」
琢真「お前ら、仲間意識とかないのか?」
陽子「は?恋愛なんて自由でしょ?」
一平「でもさ、なっちゃんが…」
陽子「夏が何?関係ないでしょ?」
 
陽子、夏を見る。夏、下を向いてる。夏、鼻をすする声。
 
夏「…」
陽子「なに泣いてるの?」
夏「…ふっふっふ…あっはっはっは」
四人「?」
夏「いやぁ…面白いなぁって思って」
琢真「夏?」
夏「ありがとね、タクちゃん。でも別にどうでもいい」
陽子「!」
夏「この二人が付き合ってるとか、どうでもいい」
陽子「…なにそれ」
夏「なにが?」
陽子「あんた、あんなに貴志のこと好きだったじゃん!なんなの!そんなのおかしい!」
夏「陽子の方がおかしいよ。私がどうでもいいって言った事になんでそんなに怒るの?」
陽子「あんたの欲しがってたものでしょ!あんた…悔しくないの!」
夏「悔しくない!」
陽子「…なにそれ」
琢真「夏、大丈夫か?」
夏「私は大丈夫です。タクちゃんって本当に優しいんだね」
琢真「え…いや」
夏「でもごめんね。私、優しい人好きじゃないんだ」
琢真「!」
陽子「ちょっと!あんたね!」
夏「なによ!」
一平「皆、やめてよ!どうなっちゃったんだよ!この前まで仲良かったじゃないか!」
夏「一平君?どこに目玉ついてるの?この5人が仲良いと本気で思ってるの?」
一平「仲良い…だろ?」
夏「皆、裏では相手の事憎くて仕方がないの。タクちゃんだって貴志が憎い。私だって陽子が嫌いだし、陽子だって私が嫌いなんだよ」
一平「…そんな。そんなことないだろ?琢真くん…」
琢真「あぁ…憎いよ。貴志が憎い。なんなんだよ!だって俺は…俺は…夏が…!」
陽子「…このクソ女…殺してやる!」
夏「殺す覚悟なんてないくせに…」
貴志「…ボクラハナニモ学習シナイボクラハナニモ学習シナイボクラハナニモ学習シナイボクラハナニモ学習シナイボクラハナニモ学習シ…」
四人「?」
貴志「はっはっはっははあああああああああああああああああああああ!」

貴志、机やありとあらゆるものを叩きつける。発狂して、壊れる。

陽子「貴志、大丈夫?」
貴志「はああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
夏「貴志!」
貴志「…うるさいなぁ本当に。お前ら皆、死ねよ」
琢真「え?」
貴志「どうせさ…なにも壊れるんだよ。どんなものも…どうせさ!」
一平「貴志くん?」
貴志「仲間とか言って、すぐ壊れるんだよ!知ってるだろ!小学校の友達!中学校の友達、高校の友達!昔の彼女!彼氏!先生!今、何もない!何もないだろ!何もないんだよ!結局!お前らは、ただ自分の都合のいいように近くの人間を使っているだけで…快感のために使ってるだけで…」
夏「…貴志」
貴志「何求めて生きてるの!何がそんなに楽しいの!何がそんなに苦しいのさ!」
陽子「…やめて」
貴志「お前らは!僕らは!結局、何もないんだよ!なにもないんだよ!」
貴志「(M)でも…」
貴志「お前らは!僕らは!壊れるまで!麻痺しながら!」
貴志「(M)でも…信じていたかった。」
貴志「何も教えてもらえずに!」
貴志「(M)人を。自分を。将来を。夢を。皆を」
貴志「大人になって、死ぬだけで…!」
貴志「(M)だからこんな妄想を…」
貴志「欲なんて満たされない!一人ぼっち!仲間なんていやしない!」
貴志「(M)ただの妄想を…」
貴志「だから…もう…」

ブラックアウトして、戻った時には貴志以外の四人が血まみれで死んでいる。貴志、手に血のついた、ハサミ。

貴志「…壊したかったんだ」

そしてまたブラックアウト。戻ると、そこは貴志の家。

【貴志の家】
貴志、電気を暗くしたまま床に寝て、死んだように動かない。

貴志「(M)ただの妄想。こんな妄想をして、僕はまた…」

貴志、起き上がる。

貴志「(M)また…ここにいる」

貴志、明け方タバコを吸いながら散歩。

貴志「(M)僕らは、何も学習しない(文字だけ)」

ED曲スタート

【教場】
ED曲が流れている。貴志、夏、陽子、一平、琢真が普段と同じように楽しそうにお喋りしている。

貴志「(M)そして、僕らは…」


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