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【援助計画】全身清拭と陰部洗浄

男子看護学生の鳩ぽっぽです。
今回は全身清拭と陰部洗浄の援助計画です。
ほぼ寝たきりの患者さんの場合、全身清拭と共に陰部洗浄も行うことが求められます。
しかし、教科書には別々の技術として書かれていることが大半で、援助計画として書く場合は合体させる手間があります。
今回はそれが一緒になった形の援助計画を書いていこうと思います。

全身清拭+陰部洗浄

必要物品:バスタオル×2(1枚でも可能)、バケツ×3、陰洗ボトル×1、ボディソープ、タオル×4、陰洗用タオル×1、陰洗拭き取り用タオル×1、手袋×2、ピッチャー(湯・水)、新しい寝衣(交換日)、オムツ、パッド、ビニール袋

①バケツにお湯を入れる
湯温は52〜55度←この湯温で絞ったタオルは42度程度の適温となるため
ピッチャーには、これより熱いお湯を入れる
バケツは蒸らし、洗浄、拭き取り用の3つに分け、各々にタオルを一枚ずつ入れる
②目の周りを拭く
乾燥したタオルを襟元にかける
目頭から目尻に拭く←筋肉の走行に沿う、涙管を眼脂などでつまらせないようにするため

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拭く際の原則:看護者より遠い側から順に拭く
③顔を拭く
タオルで速やかに拭く←気化熱により熱を奪われるため

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④寝衣を脱がせる
タオルケットで全身を覆い、下で寝衣を脱がせる
襟元を緩め、以下のように脱がせる
関節を持って脱がせる←関節を無理な方向に曲がるのを防ぐ
輸液の場合、点滴棒からボトルを外し、袖口から輸液ボトルを潜らせる←ボトルは傾けない、刺入部より高い位置を保つ

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⑤両上肢・腋窩を拭く
拭く際は蒸らし→洗浄→拭き取り→バスタオルで押さえ拭きの順で行う
上肢をバスタオルで覆い、包む
上肢を手指→前腕→上腕→肩→腋窩の順に拭く

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⑥胸・腹部を拭く

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同様の順で拭いていく
腹部は腸の走行に沿って清拭する←腸蠕動を促すため

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⑦下肢、足部を拭く
下肢をバスタオルで包み、同様の順に拭いていく

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足部はバスタオルを下に敷き、包む
足関節を支えながら、足指→足背→足底→踵の順で拭く
⑧背部、腰部を拭く
側臥位になり、以下のようにタオルを移動させる

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バスタオルを足側に下ろし、タオルケットを脇に挟んで固定する
熱布の後、背中と腰を拭く

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⑨殿部を拭く
バスタオルを下ろして拭く
※排便などがある場合は陰部洗浄後に行う
⑩陰部洗浄
手袋を2枚重ねにする
オムツを外し、以下のようにセットする
湯温を確認してもらう←大腿内側にかける、火傷防止
外陰部全体に陰洗ボトルで湯をかける

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洗浄は専用タオルで、泡で洗うようにする←擦ると皮膚の損傷につながるため

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湯で洗い流す時は手袋を変える←清潔保持のため
恥骨上部に当てていたタオルで水分を拭き、新しいオムツに替える(腰を上げられる場合は腰を上げて、腰を上げられない場合は体位交換して替える)
新しいオムツを当てる際、オムツとパッドが体の中心にくるように当てる
体位交換をする場合は、パッドをあらかじめ当てておく←排尿する場合があるため
⑪寝衣の交換
タオルケットの下で行う
※寝衣交換は上半身、下半身で清拭が終わったタイミングで行うこともありますが、今回は浴衣タイプと想定しています
腕に袖を通して、背中側を合わせ、マット側に寝衣を入れ込む。体位変換して反対側の袖を通す
体位交換時は声をかけて行う←不安感の軽減
輸液の場合、新しい寝衣の袖口からボトルを通す→手関節を支えながら袖を通す
⑫寝具を整える

まとめ

今回は寝たきりの方を想定した清潔ケアの援助計画でした。
絵が多いのは、これによって書く分量が減るからです。かなり便利なので、絵で省けるところはどんどん省きましょう。
浴衣タイプではなく、上下が分かれているタイプの寝衣の場合は、少々異なる点もありますが、大まかな流れは上の通りです。
ちなみに、熱布清拭の場合はバケツがひとつ減り、3回拭き取り(タオルの表→裏→仕上げ)を行います。
これはあくまでも一般的な手順を簡潔にしたもののため、患者さんに合わせて追加や変更をして行ってください。
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