散りし桜の花びらが一枚
アスファルトに貼りついている
その上を踏みつけて過ぎる
靴たちの傲慢な声が響く
雨に打たれ
風に削られ
ボロボロになり
消えていく汚された欠片に
目もくれず先を急ぐ意識たち
聴け
言葉もなく
消えていく
花びらの聲を
儚い美は
瞬きの間に
消失する

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