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大阪人は実は面白くない

関西、特に大阪出身の芸人達をテレビで見ない日が無い昨今。

御多分に漏れず、私も毎日のように、彼らの軽妙にして

絶妙なやり取りにクスっとして世の憂さを晴らしている。

しかしながら、決して、大阪府下880万人が

日本のお笑いを牽引している訳ではない。

まずご理解頂きたいのは、テレビ・舞台と日常とでは

求められる笑いや面白さが違うということである。

日常生活では、芸人のように声を張ってオーバーアクションで

話すだけで、場所によっては不審者扱いされて通報されるだろう。

また、テレビのバラエティショーのように、人に絶対知られたくない

恥ずかしい自分の失敗談を、大勢の前で話されることは、

世の東西を問わず、誰にとっても不愉快極まりないものだ。

それを聞かされた人達も、たとえその話が抱腹絶倒モノでも

当人を目の前にして笑うことは憚れる。

これが許されるのは、自分の身を削っても笑いを取りたい、

プチ異常者集団である芸人の世界だけに限られる。


当り前の話だが、大阪人は場の空気を読むのに長けているので、

こういう事は全くしない。

さらに当り前だが、ヒョウ柄の服を着ている

おばちゃんも街中見渡しても殆どいない。

彼女達は、すでに絶滅危惧種の仲間入りである。

商品代金を値切ろうとする人も皆無ではないが、

巷で囁かれるほど多くはいない。

この物が売れない時代、お店で代金を値切ろうとする輩は、

たいがいがリタイアして社会と縁遠くなった者である。


昔、高名な漫才師が言っていたが、笑いを商売にしている者が

絶対してはいけない事は、

客をいじる

下ネタを言う

目上や立場の弱いものを腐す

ことだそうだ。

これらを題材にすると、比較的簡単に笑いが取れるので、

芸の進歩が止まってしまうという教えを含むのと、

芸人とはこうあるべきだという矜持でもあると思う。

知ってか知らずか、大阪人のDNAには、これらの教えは

しっかり組み込まれている。

『え~そうなんや』『ホンマに~』

と相槌を打って、

たまに

『なんでやねん!』

と突っ込む程度の、聞き上手で耳障りの良い声で笑う人が好まれる。


お笑いの聖地とか本場とか言われる大阪だが、

その実情は、他所の都道府県の人達と比べて、

ほんの少しだけ、お喋りでお節介焼きな人が多いだけなのだ。


今更の感があるが、私のマイブームは

吉本新喜劇の未知やすえ師匠。

か弱い女性の怒りがMAXになったという設定が可能とする、

まさしく問答無用のキレ芸。時間があればどうぞご覧下さい。


https://www.youtube.com/watch?v=-YDtOaDTpFo


ご支援賜れば、とても喜びます。 そして、どんどん創作するでしょう。たぶn