あこがれのバイク生活
バイクが好きだ。小さい頃から父の影響で車好きではあったけれど、この1年弱ほどでバイクも好きになってしまった。いや、今はむしろバイクの方が上を行っているかもしれません。
最初は恋人の目論見からでした。私の好奇心を利用して、うまく自分の趣味を布教したのです。そのひとつがバイク。私が車の免許を取ってしばらくして、「これで一緒にツーリングデートしようや」と中古で状態の良いホンダのトゥデイ(原付)を買ってきたのです。
もともとバイクに興味はありましたが、私にとって原付は怖いものでした。だって、自動車学校で原付に乗る練習をしたのはたったの2、3時間なのですから。講習の時もびくびくしていたのに、公道を走るなぞ、なんと恐ろしいことを言うのか。
まあ慣れだからと、彼は当時乗っていた自分の原付を私に貸し、練習を促しました。あっ、ちょっと楽しいかもと思ったところで、そこからはもう沼でした。乗れるようになった頃合いで用意された自分のバイク。外装や古くなったパーツを取り換えて生まれた、私だけのバイク。可愛くないわけがありません。私が原付の話をしたり実際に乗ってきたりするせいか、部活でも原付いいな、バイク良いなというひとたちが増えてきました。「スーパーカブ」や「ゆるキャン△」の影響もありました。私は仲間が増えたらいいなと思って、日々宣伝しています。
原付を移動手段と捉えるか、趣味のものと捉えるか。私はどうやら後者だったようです。それでも始めは、彼と一緒に出かけたいから乗っていました。そして段々とひとりで出かけることも増え、ついには山を登ってみたり、海沿いをずっと走ってみたり。休み休みではありますが、1日に100㎞ほど乗り回した日もありました。
その後彼の原付は寿命を迎え、今は別のバイクに乗っています。排気量が上がったので、原付でついていくのは難しい代わりに、後ろに乗せてもらってのツーリングを楽しむようになりました。今までにない速度と爽快感。原付でゆるゆる走るのも好きだけど、やっぱり自分で普通の二輪を運転したくなってしまいます。
今は普通自動二輪免許を取るために貯金しています。もうすぐ貯まりそうで、とてもわくわくしている。今のところ乗りたいのは街乗りの小さなタイプ。高速道路を走れるような大きなのも良いけれど、下道をふらふら寄り道しながら楽しむのが好きなのです。それは原付が好き、というところから来ているのでしょう。候補としては、ホンダのクロスカブと、Dax。どちらも小柄だけどしっかり走る。そして何より可愛い。
新しいバイクを買えば、この原付は手放すことになるでしょう。けれど、それまでは、私の相棒として、大切に乗り潰していこうと思っています。
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