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墓参り

今週末は祖父母の墓参りに行く。

実家のお墓は近場や先祖代々の場所にあるわけではなく、祖父がここがいいと決めた場所にある。

祖父は所謂昔のおじいさんらしく、俺がここだと言ったらここだとでも言わんばかりに勝手に墓地を買い、墓石を建てる前に一足お先にとアチラの世界へ旅立っていった。墓石を建てるのは残された祖母の仕事であり、その祖母も昔の奥様らしく夫の一周忌をやるまではこちらでセカセカ頑張り、終わった途端追い掛けるようにアチラへ行ってしまった。2人とも残される側の気持ちを考えているとは言い難いラブラブっぷりである。

そんな祖父母の墓は、祖父の母(私からすると、ひいおばあちゃん)の故郷にある。祖父が小さい頃はよくそこに預けられたり戦時中は母子で故郷へ疎開していたそうだ。

きちんとした道が出来る前から、私たち孫を連れ足繁く曽祖母の生家に連れて行きそこに住む人達とああだこうだと話をしていた覚えがある。

幼くして母を亡くした祖父にとっては、どんなに歳をとっても離れたくない場所だったのだろう。祖父にとってはずっと自分を守ってくれた村。自分の大好きな母がいた村。その執念が実を結んだのか無事そこに埋葬され、今度は我々が足繁くその村に通って墓守をしている訳である。

流石にこのコロナ禍。村の外のナンバーの車でノコノコ乗り入れるわけにもいかず約3年ぶりの墓参りになるわけだが、あの2人はどんな顔をして迎えてくれるのだろう。行くと大体感謝感激アメアラレとでも伝えんばかりに大雨を降らせてくれる。その雨の勢いがまたあの頃の祖父らしくて笑ってしまうのだが。

我が家の葬式・法事はいつでも大雨。大雨であることが吉とされる不思議な実家である。今週末はどんな天気になるだろうか。


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