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大根の子供達

 445文字

 伸びる線が気持ち良すぎる、ズバーと伸びて目線は少し右側の畑の終わりへと向い、空の色を見て気象条件を想像するだろう。
 想像しながら遠くに並ぶ家並みを吟味、そして大根の子供達がすくすく育っている直線に、又目を走らせる。
 畑作地域では普通の風景、線は一点へと終わりを見せてくれる、少し波打つ線は、種を植えている機械のエンジン音と、ハンドルに直結するタイヤの向きが見えてくる。
 真っ直ぐ植え付けているつもりでも、必ず僅かに波打つウネに可愛らしさが視えて来る。
 機械を運転していた人は、必ず自分が運転して植えたウネを見つめ続けているだろう。
 心の中で・・イヤー曲がったな~、まあ仕方がない、と考えているか、この次は真っ直ぐ絶対に走ってヤルゾーと、次なる挑戦を思っているかも知れない、と・・勝手に思い巡らしてしまった。
 ズバーーと土に施された線が、脳の天辺に辿り着き、白い大根何千本取れるのだろうか ? と、雪の様に白い大根が視えて、コトコトお鍋でほろふき大根の熱い湯気が立ち昇る。

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