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安い野地板を加工して羽目板を作る

壁って大体石膏ボードを貼ってから壁紙を貼るのが一般的だと思います。

私の実家がそうでした。

愛する我が家はベニヤ板が貼られていました。

うーん。安物感と古い感じがすごい。

山小屋のような我が家ですが、一応別荘地に建っていますのでやっぱり雰囲気だけでも味わいたいと思っています。

ということで、壁は無垢板を貼っていきたいと思っていました。

ちなみに屋根裏は未定です。


無垢板にする場合、問題は予算です。

引っ越し直後は和室をフローリング化しました。写真は全く撮っていなかったので掲載することができなく残念ですが、その時に床材を少し価格調査をしたことがありました。

フローリングのサイズがメーカーによってバラバラだったので、1㎡あたりの単価を出して計算した結果、2,800円~というのが判りました。

無垢になるとコメリで3,700円程度、専売サイトだと5,000円以上。とても高いです。

そこで色々調べていて目を付けたのが野地板という杉の板です。

現在、単価は変動しているようなのですが、5枚セットで1,350円程度。1㎡あたり861円と格安でした。


結論。野地板超安い。


ただ、野地板というのは本来屋根材として使われる杉板です。

そのため切りっぱなしだったり湿気がすごくて触っただけで「湿ってる」と判るほど水分を含んでいることもあります。

そんな板なので表面はガサガサ。歪みも普通にあるので色々手を加える必要があります。

色々と調べたり計算した結果、作業時間もあまり無く、大工道具も無かったので和室で使用したフローリングは既製品にしたのですが、壁については野地板を製材して使用することにしました。

この記事は野地板を製材して羽目板にしていく手順を簡単に説明していきますので、興味があればご覧ください。

ちなみに、素人作業のため正しいかどうかは判りませんのであしからず。


野地板

野地板はホームセンターで手に入ります。

5枚セットとか10枚セットが一般的なのかな?

こちらのサイズは2,000×180×12となります。

ざっくりとした工程としてはこちら。

  1. 表面研磨

  2. 歪みなおし

  3. 溝彫り

  4. 角落とし

各工程の順番は好きにすればいいと思います。

「とりあえず形にする」というのが今回の目標。

精度?ある程度でよければ、もっと丁寧に時間をかければいいんじゃないでしょうか。

そもそも野地板はしっかり乾燥していないからなのか、すぐに歪むようなので、高精度を求めるなら既製品ですね。


使用する工具

左から電動カンナ、丸鋸、サンダー、トリマーとなります。

電動カンナでざっくりと表面を均し、丸鋸で角を垂直にし、サンダーで表面を綺麗にし、トリマーで溝を掘ります。あとは手動のカンナで角を整えます。


実はこんなものを持っています。

自動カンナといいます。

同じ厚みで削ってくれるので、壁を製材するのに電動カンナでは時間がかかりすぎると判断。高かったですが、必要枚数が多いので結果として安上がりになると思い購入しました。

これは一般的ではないと思いますので、今回は使用せずに製材していきます。


電動カンナで表面を均す

まずはガサガサの表面をある程度綺麗にしていきます。

手動でやりたい方は手カンナで頑張ってください。

電動カンナで削ると速いですよ。


1回目のカンナがけをしたあとです。


こちらは2回目。

0.3mm刃を出して2~3回削るだけでも、表面は随分綺麗になります。

電動カンナは回転する軸に刃が付いているので画像のような模様が付きます。

上手に調整すればなるべく目立たないようにできるかもしれませんが、方法を知らないのでこのままでいきます。


サンダーで表面を綺麗にする

電動サンダーで表面を綺麗にしていきます。

そこそこ大きな音と振動があります。

紙やすりを取り付けた部分がブルブル震えることで細かくペーパーがけしてくれる道具です。

手動でしたい場合はひたすら紙やすりで削っていけばいいです。その代わり腕が死にます。


電動カンナで付いた模様が綺麗に消えました。

今回使用したのは120番だったかな。

もっと綺麗にしたい場合は番手の大きなものにしていくと目が細かくなるので綺麗に仕上がっていきます。

そんなに気にしないので、私はこれで満足です。


トリマーを使って溝を掘る

電動トリマーを使って溝を掘っていきます。

合いじゃくりという方法です。

画像のトリマーはバッテリー式ですが、100V電源用にするべきだったと今では後悔しています。

5枚程度充電式トリマーを使用するとバッテリーが切れて作業が止まってしまいます。これだけは失敗しました。

そして今回、もう1つ失敗が・・・


裏表が逆でした。

木裏、木表というのがあります。木が反る方向があるのですが、木裏を綺麗にしていました。逆でしたのでやり直します。

木表が室内側で合っているはずです。


ガサガサの表面に0.3mmの電動カンナをかけます。

相変わらずまったく違う仕上がり。


2回ほどカンナがけをして0.6mmほど削ってから・・・


サンダーで磨いていきます。

画像の左側はサンダー後、右は未サンダーです。違いは判るかと思います。

好きなだけサンダーをかけていきます。


ちょっとガサついている部分もありますが、許容範囲です。


電動トリマーで溝を掘っていきます。

持ちにくく、結構危ないので怪我をしないように注意しながら加工していきます。

刃は板の厚みの半分+0.5mm程度を出しています。

削る幅は5~6mm。もう少し削った方が良いかもしれませんが、正解が判らないのでこのサイズにしています。


カンナを使って端を整える

野地板はとにかくあちこちがガサガサなので、板の横をカンナがけしていきます。

まずは横を削ってガサガサした部分を取り除きます。


次に45℃くらいに傾けて5回ほど削っていきます。

テーパー状にするということですね。


丸鋸を使って垂直に切る

野地板はとにかく歪みまくっていますので、板がなるべく正確な長方形になるようにしていきます。

画像から、僅かに歪んでいるのが判るでしょうか?ひどい板はもっと斜めになっています。

横が歪んでいるなら当然縦も歪んでいます。

今回は長さを決めていないので省いていますが、縦方向も歪みを見て修正する必要があります。

専用の治具を作って丸鋸で切りなおすのも良し、真っすぐな柱や板に重ねてどこが歪んでいるか確認して手カンナで削るのも良し。

老眼には難しいですが、板の端から見てどこが歪んでいるか見て削るのも良し。

なんらかの方法で真っすぐになる様に工夫をします。

縦方向の歪みが大きい場合、溝の幅が変わっていると思いますのでトリマーで再度溝を掘りなおします。


サンダーで端を整える

サンダーが再び登場します。

丸鋸で切った部分をサンダーでペーパー掛けしていきます。

手動のカンナで当初やっていましたが、うまくいきませんでしたのでサンダーで整えるようにしています。

ここでも45℃に傾けてテーパー状にしていきます。

板同士を横方向に繋ぐ場合、トリマーで溝を掘ります。

今回は取り付け場所が決まっていないので、その作業は省いています。


羽目板DIYの完成

はい完成。

1枚の板をこの程度に仕上げたのですが、所要時間は約40分です。

途中裏表をミスった時間も含んでいますが、早くても1枚30分はかかります。

普段は5枚とか10枚とか、ある程度まとめて作業しているので1枚当たりの時間はもう少し短いかもしれませんが、結構手間が掛かっています。


ついでに手カンナで削った木の厚みを測ってみました。

手動のカンナの刃はどれくらい出ているのが良いのかな?

とりあえず0.15~0.2mm程度が使いやすいです。


DIYした羽目板の取り付け

最近作った羽目板を壁に貼りました。

溝の幅はもう少しあった方が良いのかな?ちょっと割れている個所があります。

使用した釘は真鍮のスクリュータイプです。

通常のツルンとした釘だと板が反った時にスポンと抜けますが、スクリュータイプの釘は多少は抜けにくいそうです。

真鍮製にしたのはそれっぽいから。鉄ではちょっと味気ない?

ビス止めでもよければ何でもいいでしょうね。

接着剤?使ってません。接着剤を使うと取れなくなるじゃない!


板がちょっと大きい?別荘感というより山小屋感が増した気がします。

野地板の幅は180mmのサイズですが、半分の方が良いのかな?と最近思っています。

塗装はしていません。板を全部貼ってから雰囲気で塗装するか決めるつもりです。


羽目板を作っているときは真っすぐにしたつもりですが、実際に取り付けてみると隙間が大きくなっています。

板の中央が室内側に膨れてきたりもしていますので、やはり180mm幅は大きすぎる?

溝は5mm程度の幅ではなく7mmか8mm程度ならいいのかな?

一応無垢板になるので、気温や湿度などで木が動いているだけなのか判断できません。


お手製なのでこんなものもあります。

元々あった節がどこかに旅立ってしまったようです。

壁には全てビニールシートが張られているので、ここから虫は簡単には出てこないでしょうが、いつか節をパテなり木なりを使用して埋めていくと思います。


まとめ

「綺麗なおうちに住みたい。」「おしゃれじゃないと嫌。」

そういった方は既製品を業者に取り付けてもらうべきです。

その方が早いし確実で間違いないでしょう。

予算は無いけど時間はある。そして細かいことは気にしない変わり者ならお手製もありだと思います。

ですが、板が反ったり隙間が大きかったりと、それなりの仕上がりになるのは覚悟した方がいいです。


自分でDIYする場合、色々調べることから始まり、それからエラー&トライです。

基本的な事を知ってから実際にやってみて問題があれば調べたり考えたりして修正して再挑戦。

羽目板の溝は何mmが良いのか?板の厚みは何mmが適切なのか?幅は何mmが適切なのか?

既製品でよく見る羽目板の裏の溝は入れたほうがいい?

羽目板を貼る時に注意しなければいけない事は何なのか?

板を反りにくくする方法など、知識も経験も素人と業者では全く違うと思います。

書いていて思いますが、私も知らないことばかりで手探りで作業しています。

皆さんはどのレベルでDIYしているのかな?


来年以降には寝室を畳から無垢のフローリングにしたいと思っています。

寝室の床下断熱は入っていませんが、畳もある程度断熱材として効果があるようなので今年はこのまま乗り切るつもりです。

フローリングにする場合はお手製の羽目板を作って・・・と思っているので今のうちに実験も兼ねた試作でもあります。

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