DIGと現場の在り方

 昨年からのコロナウィルスの影響で外出に規制がかかり音楽との関わり方にも相当な変化があったように感じる。そして、私自身も音楽を探求するに当たってその必要性が出てきた。そして、現場への求めるものが自身の中でも変化したことを感じた。

・音源をDIGすること

 かつてはレコード屋に足繫く通って、音源を購入し、情報を仕入れたり、店員や現場に居合わせた常連さんなんかと知り合いになって交流を深めていくことが主流だったと思う。

 現在では音楽ストリーミングサービスや動画配信サービス、SNSでアーティストや楽曲をDIGすることが主流に変わったように感じている。コロナウィルスの外出禁止が更に拍車をかける結果になっている。

 ストリーミングサービスはデータを保存できないと思って、私は手を出すタイミングが大幅に遅れていたが、月額でダウンロード保存できるサービスを知って、改めて有料契約すべきサービスを探索している。

 そうなってくると店舗で音源を購入する必要がないと思われがちだが、実はそうでもない。確かに聴くだけならストリーミングサービスのみで問題ない。

 しかし、コレクション的に保管したい音源などに関してはやはり店舗で現物を購入する必要があると思う。そうなってくるとジャケットのデティール等にこだわって、アート作品のように飾れるような物にするべきではないかとも思う。データでは足りない付加価値が実物の音源にはある。

 やはりこれからはデータやストリーミングサービスが主流になる中でも、レコードやCD、テープなどはなくならないし、形で残す意味もあるだろう。後は個人の価値観や好みの問題だと思われる。

好きなアーティストや装丁の美しいものは購入する楽しみもある。

・現場の在り方

  コロナウィルスの自粛生活の中で今までのように気楽に音楽の現場に行けなくなったのは確かで、大体が自宅で配信などの音楽を楽しむようになったと思う。

 そして、かつては現場でDJがプレイする音源がDIGの現場だった。今でも皆無だとは思わないが、CLUBやLIVEHOUSE、音楽を楽しめる現場の開場時間も短くなり、じっくりと味わうことが難しくなったように感じる。

 短時間に凝縮された音楽を楽しむとしたら、現場でしか観れない瞬間に立ち会えるライブ中心のイベントに行きたいと思うようになった。

 私個人の間隔かもしれないが、家で聴く音楽と、現場で聴きたい音楽に完全に差が出てきた。

 例えば、好きなジャンルのHARDCORE PUNKは音源を所持しているが自宅では滅多に聴かない。しかし、ライブでHARDCORE PUNKのショーは観たい。あの臨場感を味わいたいと思っている。

 これからは現場にモニター上では感じ取れない凝縮されたショーの要素を強く求めるようになるだろう。

 ただ現場は社交の場でもあるので、音楽的要素だけで判断しがたい部分もある。そして、これが現場の醍醐味なのも確かである。

 

DIG と現場の未来

 はっきりと結論の出るものではないが、ただ以前とは現場やDIGへの向き合い方や選び方が変わって来るだろう。既に現場や店舗に出向かなくても事は片付くようになってしまっている。 

 もっとネットワークが進んだら、逆に自宅に現場を持ち込むのが主流になるのかもしれない。国家でもアバターを国民それぞれに割り当てるような計画が立てられていたり、遠い未来の話ではなさそうである。

 それでも、物としても音源もなくならず残るだろうし、現場って多少の変化はあるだろうがなくならないだろう。個々の嗜好やライフスタイルに合わせたものを好きなように取り込めばいいと思う。


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