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カウアイ島の素晴らしきミュージシャン!彼の名はEli Smart(イーライ・スマート)!

サブスクで偶然出会った美しい楽曲

普段Apple MusicとかSpotifyとか、音楽のサブスクで、AIの薦める楽曲を垂れ流してたりすると、思いがけず、素晴らしいアーティストとの出会いがあったりする。
その日も出先での仕事中、BGM代わりにイヤホンでプレイリストを聴いてると、イントロが聞こえてきた途端、手を止め耳を傾けた。歌い出しから心を奪われ、あまりにいい曲なので、思わずスマホを取り出し、スクショすると、それはEli Smart (イーライ・スマート)という一人の青年の曲だった。
「After Shuggie」というその曲は、2019年にリリースされたシングルで、
おそらく若い男の恋心を歌った曲だ。

イントロから最後まで続くギターのカッティングと気持ちの良い余韻を残すビブラートが、主人公の切なさをライトに切り取っていて、恋の苦悩をクスッと笑える程度に描いているのが何とも愛らしく感じる。

イーライ・スマートのプロフィール
イーライはハワイ諸島の一つであるカウアイ島の出身で現在24歳。家族が音楽に明るかったことから、幼い頃から楽器に触れ、作曲も早くからするようになり、既に配信のみではあるが、数々のシングルをリリースしている。
かなりの音楽一家のようで、祖母はかつてジミヘンのステージの前座を務めるようなバンドに在籍していて、イーライのツアーにもベーシストとして参加していたりと、とてもユニークな家族だ。
ハワイ出身のシンガーソングライターというと、個人的にはすぐさまジャック・ジョンソンを連想したが、イーライにも彼のような自然に囲まれた環境でこそ生まれるサーフミュージックの要素があり、ギターのサウンドはもちろん、アコースティックな楽器の取り入れ方やアイデアが随所に見られる。
基本的にバンド体制ではあるが、スネアの生っぽい音や、重すぎないベースのサウンドなど、アコースティックとエレキの調和がイーライの個性を引き出している。
カウアイ島というと、ハワイ諸島の最北端、人口がおよそ7万人という小さな島だ。観光で有名なオアフやマウイ、ハワイ島に比べると少々地味な場所かもしれない。
けれどそこに息づく自然の風景や、都会の喧騒とは離れた中から聞こえてくる波の音や風が鳴らす木々の音などが、彼の音楽に多大な影響を及ぼしているのだろう。
実際に彼はAloha Soulという、独自の音楽ビジョンを提唱している。
このAlohaはもちろん彼のルーツを示していて、Soulの部分は高校卒業後に彼が留学していたリバプールでの暮らしが関係している。
イーライが多大な影響を受けたというビートルズの街、リバプール。刺激的で故郷とは違う魅力がたくさんあり、ソウルフルだったと彼は話していて、彼の音楽性はこれら2つの街により醸成され、今現在も進化し続けているのだろう。

おすすめの曲

2022年にリリースされたまさにそのタイトルである「Aloha Soul」は5曲入りのEP。どの曲も彼らしさに溢れていて素晴らしいが、なかでも個人的に好きなのは3曲目の「Cry At The Comedy」

この曲も男の切ない恋心を歌った曲だが、メランコリックな雰囲気をやはり軽快さが凌駕していて、ポップな曲調を作り上げている。
決して重くないバスドラムやベースの音、あえて厚みを無くし、ギターは飾り付けるように彩りに徹して、抜けのいいスネアの音、美しいコーラスワークにボーカルが乗ると、どのセクションも小さなアクセサリーのようなかわいさがあり、イーライの音色の纏い方、紡ぎ方がとてもロマンチックに感じる。

今年に入っても次々とシングルをリリースしていて、4月に発表した「Silence」も未だにリピートしているおすすめの曲だ。

ギターの鳴らす響きがより一層トロピカルで、にも関わらずローカルではなく、都会的なバンドサウンドに昇華させているのは、彼の成せるAloha Soul的な調和なのかもしれない。この曲も男性目線からのラブソングだが、サイレンス=沈黙が肯定的な意味で捉えられた歌詞で、恋人同士である2人の沈黙が愛おしく綴られている。やはりコーラスが美しく、絡み合うファルセットが甘い雰囲気を作り上げる。

とここまでイーライ・スマートの曲をいくつか紹介させていただいたが、あくまでこれはほんの一部、まだまだいい曲がたくさんあるのでぜひ一度聴いていただきたい。
サブスクが当たり前になり、これだけの楽曲が溢れ、日々流れていくなかで、自分の好きな曲に出会えるというのはとても喜ばしいことだ。それこそカウアイ島から届いたメッセージ・イン・ア・ボトルのような嬉しさがあり、運命や奇跡に準えれば、より一層好きになれる。
今後もリリースされるであろう彼の楽曲が楽しみでならないが、はやくフルアルバムを、できればCDやレコードとして手にしてみたい。

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