VOL2:アメリカに行くという事
僕がアメリカのロサンゼルスの留学から帰国したのは2009年1月の事だった。
カリフォルニア州立大学を卒業した後に1年間のOPTという労働許可が下りて、すし屋でアルバイトをしながら某テレビ局のインターンを掛け持ちした後に、就労ビザが取得できずに無念の帰国を余儀なくされてしまった。
何故かとても否定されたような気持ちになったのを覚えている。
その時から、
「アメリカに次にいくときは絶対に仕事で行くんだ」と心に決めていた。
それから、あっという間に5年の月日が流れ半端な20代を過ごしてしまった僕には、無論仕事でアメリカに行けるような理由は特になく、時間だけがただただ過ぎていったのだった。
そんな折に、現在の嫁と結婚をし子供が生まれたのが2014年。僕はその当時テレビCM制作の労働状況に耐え切れず逃げだしたり、ベンチャー企業の営業で走り回った挙句、逃亡するようにフリーランスになった。
意外にも最初のフリーランサーとしての6か月間の稼ぎが予想以上によかったので、あれよあれよと会社を立ち上げる事になった。
ただ、自分がドリームを掲げていたアメリカへの道のりはまだまだ遠く、僕なんかがアメリカに行って挑戦できるわけないと思っていた。
それが理由で10年間アメリカには一度も足を踏み入れる事がなく過ぎていった。それは自分が小さいが抱いていたコンプレックスとプライドの戦いだった。
そして、ついにその殻を破ってくれたのが嫁の一言だ。
「早くアメリカに連れていけ。あなたの夢は関係ない。この子のためにアメリカに行こう」という一言で僕ははっとさせられた。
そんなわけで、僕ら夫婦は当時3歳の娘を連れてアメリカへの旅を決意したのであった。
(とまあ、ここまではフツウの家族旅行のはずだった・・・)
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