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485社で働いた私の便利な多重人格スイッチ ④『経理の人VS旅行会社の知人で、ぼったくりをぶった斬り』

私は以前は、ITではなく経理が本業であった。

経理といえば、大抵電卓を打っていた。
または伝票をのりで貼り付けたり、紐を通して括ったりしていた。

平成のパソコンの世なのに、なぜ!?
何故だかわからないが、いつも電卓とアラビックヤマトと、黒い紐とバインダーに囲まれていた。
そんな会社だらけであった。

そんなわけで、電卓は体の一部になるくらい(無駄に)長い期間打っていたのだ。



ある年の暮れ、友人らと4人で忘年会をした。


友人の1人は大手の旅行会社の社員であった。

洒落た洋風居酒屋で2時間盛り上がって、さあ会計というときに、スタッフが伝票を持ってきた。

旅行会社の人が「念の為」と言って電卓を打ち始めた。
(お主が電卓を出すのなら、拙者も!)
経理の私も、つられて電卓を打ち始めた。

酔っ払いモードから、怒涛の電卓打ちモードに突入。
カチャカチャ、パチパチ・・・。

そういえば以前いた経理部の飲み会もこんなだった。
お会計が合っているのか、皆で確認するのである。
経理部のプライドにかけて、不正会計や計算ミス、オーダーミスを発見する意気込みがハンパない。

すごいイヤな客だな!
(全国の重症の経理部は、皆、こんな感じなのかな?)

その時は会計がピッタリ合っていたので、皆、気持ち良く解散できたのだった。(1円の狂いなく合わせたい習性)


・・・・・・・・・・・・・・

私(経理の人)と、旅行会社の人で、電卓を打ち終え照合したところ、一人当たり500円多く請求されていることに気がついた。

経理の私は「サービス料とか?」と疑ったが、旅行会社の人のほうが対応が早かった!

スタッフを呼び出して
「ちょっと、この会計、2000円多いのはどういうこと?説明して!」と言った。
スタッフは厨房に聞きに行って、戻ってきた。
「サービス料になります」

旅行会社の人「サービス料って、どこかに記載がある?」
スタッフ「書いてないのですが、頂くことになっておりまして」
旅行会社の人「ぼったくりってこと?客を騙してるの?サービス料の記載がないならアウトね!」

スタッフは、再度厨房で店長と話をしてきたらしい。
スタッフ「2000円は、お会計からマイナスさせていただきます」
旅行会社の人「当たり前よ!それにしても、優良店じゃないわね、ここ。評判落ちたら続けらんないんじゃない?しっかりしなさい!」

かなり説得力のあるお説教をしたので、店長まで出てきてお詫びした。


おー!経理の人には、電卓を打てても、その後の対応はこんな完璧に出来ないのだ。なので、この件は、旅行会社の人に圧倒的に「わたしまけましたわ」だった。



こうして、友人一同は500円ずつ損をしないで済んだ。


旅行会社の人曰く
「うちの会社は、ツアーで使うホテルや飲食店は、厳しくチェックしてるの」


なんとっ!

それから私は、旅行の予約はその会社を使うようになった。

今のところ、悪いホテルには当たったことがないし、トラブルも起きていない。



◾️ぼったくり対策リンク◾️

※確かに高級ホテルのカフェのメニューには「サービス料10%」と、ちゃんと書いてあった

サービス料がどれくらいの金額であるかを客側に口頭、あるいは『サービス料○○%を頂戴します』とメニューや宿泊契約書の目立つところに記載するなど、原則として、客からの同意や承諾を得ることが必要です


不運な人を助けるための活動をしています。フィールドワークで現地を訪ね、取材して記事にします。クオリティの高い記事を提供出来るように心がけています。