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飲食業界のDX最前線!スカイラークとリンガーハットに学ぶ企業変革とは?猫型ロボットとAIシフト管理で業界の常識を覆す|#DX企画書のネタ帳

こんにちは、近森満です。今日もDXしてますか?

さて今日は、「飲食業界のDX最前線!スカイラークとリンガーハットに学ぶ企業変革とは?猫型ロボットとAIシフト管理で業界の常識を覆す」と題して、毎週水曜日の本編は近森満と堀内崇さんの対談の音声配信「#DX企画書のネタ帳」で話した内容をサマリーでお送りします。

音声配信はこちら。
前編

後編

【概要】

飲食業界は長らくマンパワーに頼る体質が続いてきましたが、近年デジタルトランスフォーメーション(DX)の波が押し寄せています。

本記事では、大手ファミリーレストランチェーンのスカイラークと、長崎ちゃんぽんで有名なリンガーハットの先進的な取り組みを例に、飲食業界におけるDXの可能性と企業変革について考察します。

猫型ロボットによる接客効率化や、AIを活用したシフト管理など、業界の常識を覆す斬新な試みから、DXの本質に迫ります。

はじめに

過去、飲食業界は人手不足が深刻で、お客様のクレームにも十分対応しきれないことがありました。それから10年以上が経ち、再び飲食業界に目を向けてみると、驚くべき変化が起きていたのです。

 そこで今回は、業界の雄であるスカイラークとリンガーハットの事例を通して、飲食業界におけるDXの最前線に迫ってみたいと思います。

彼らの取り組みは、単なるデジタル化ではなく、業務の効率化と付加価値向上を両立した真のDXと言えるでしょう。この記事を通して、皆さんにも飲食業界の新たな可能性を感じ取っていただければ幸いです。

スカイラークの猫型ロボットがもたらす接客革命

ファミレスといえばスカイラーク。そんな同社が昨今力を入れているのが、猫型ロボットを活用した接客の効率化です。

店内を自由に動き回るかわいい猫ロボットが、注文した料理を運んできてくれるのです。子供連れのファミリーに特に人気で、非日常的な体験と店舗の活性化に一役買っています。

 しかし見た目のインパクトだけでなく、実際の効果も絶大。ロボット導入店舗ではお客様のクレーム件数が23%減少したそうです。

人手不足に悩む飲食業界にとって、ロボットによる業務の代替は大きな突破口となるかもしれません。機械なので休みは不要、接客の質も均一に保てるというメリットがあります。

AIシフト管理で人時生産性を追求するリンガーハット

一方、リンガーハットは需要予測AIを活用したシフト管理システムを全店に導入し、大きな効果を上げています。

人件費は飲食店の大きなコストですから、いかに効率よく人員を配置するかが利益を左右します。同社のシステムでは、過去の売上データなどからAIが各店舗の来客数や売上を予測。それを基に最適な人員配置を提案します。

 AIを使うことで、店長の経験と勘に頼っていたシフト作成を自動化。精度の高い予測に基づいて人を配置できるので、ムダな人件費を削減しつつ、接客の質も担保できるわけです。

更に、発注アプリとの連携で食材の無駄も削減。人時生産性を多角的に高めることに成功しました。

withコロナ時代のデジタル化と業態変革

2020年の新型コロナウイルス感染拡大は、飲食業界に大きな痛手を与えました。

緊急事態宣言下の休業要請や、その後も続く人々の外食離れ。多くの飲食店が苦境に立たされる中、スカイラークとリンガーハットはいち早くデジタル化を進め、この難局を乗り越えようとしています。

 オーダーのタブレット化やデリバリー需要への対応など、非対面・非接触の接客を実現。withコロナ時代のニーズに合わせて業態を変えることで、売上の回復を果たしつつあります。

そこにはデジタル技術の活用と、変化に対応する組織文化があったのでしょう。危機をチャンスに変える姿勢は、他の企業も見習うべきところです。

DXとは個社の信念を貫くこと

他社のDXの取り組みを表面的に真似ても、意味のある変革は成し遂げられません。
スカイラークやリンガーハットの事例に共通しているのは、自社の課題解決と価値向上に向けた信念です。彼らのDXは、飲食業界の働き方改革と顧客満足度アップという明確な目的意識の下で断行されているのです。

 ロボットやAIはあくまでもツールであって、それ自体が目的ではありません。重要なのは、自社のビジネスをよりよいものにしていくという強い意志です。

外部の評価に惑わされず、信念を持って地道にDXを積み重ねていく。それこそが真の意味での企業変革なのだと、私は考えます。

日本の食文化を支えるDXのこれから

日本の飲食業界は、高品質のサービスときめ細やかな心配りで世界的に高い評価を得ています。
その日本食文化を次の世代につないでいくためにも、スカイラークやリンガーハットのようなDXの先駆者が増えることを期待します。人手不足、コスト高、ニーズの変化など、飲食業界の構造的な課題は尽きません。

 一方で、テクノロジーの進歩は目覚ましいものがあります。ロボット、AI、メタバースなど、これからの10年で飲食業界のDXはどこまで加速するでしょうか。

もちろん技術ありきではいけませんが、可能性に目を向けることは大切です。既存のやり方に固執せず、時代の変化を味方につけられる企業こそが生き残れるはずです。

さいごに

飲食業界のDXはまだ始まったばかりです。スカイラークやリンガーハットの取り組みは、業界の常識を覆す画期的なものですが、本当の意味での変革はこれから。
自社の強みを活かしつつ、デジタル技術を柔軟に取り入れていくことが肝要だと私は考えます。

 飲食業は人的サービス業の最たるもの。レストランの価値を決めるのは、結局のところ「人」です。デジタル化を進める一方で、「おもてなしの心」は決して忘れてはいけません。

高い志を持ち、チャレンジを恐れず、新しい飲食業の在り方を切り拓いていく。そういったリーダー企業の登場に、私は大きな期待を寄せています。

◆参考記事

なぜ、DXを推進したらクレーム件数が減ったのか ガストやバーミヤンの取り組み(ITメディア)

リンガーハットのAI導入事例で考える「日本企業のDXの乗り越え方」(Business Insider)

ではまた。

しつこいようですが、音声配信はこちら。
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