見上げれば覗きこむよな秋の空
空深し鱗輝く鯖鰯
弓形にスルリ入水空高し
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空が高い。
洗濯物を干そうとベランダに出て、
向かいの屋根の上あたり、
空の透明感に惹きつけられ、
そこから視線をあげていく。
手すりに身を預けておおきく天を仰ぐ。
世界には空と雲だけだ。
ふと、軽いめまいを覚える。
私は見上げているのだろうか。
それとも、
明るく澄んだ深い海の底を
のぞき込んでいるのだろうか。
その深い海の中を、
朝の陽射しを輝く鱗に反射しながら、
銀色の魚たちが泳ぐ。
引き込まれるように
その深淵をのぞき込んでいた私は、
魚のように弓のように弧を描き、
音もなくその海に滑り込んだ。
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