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素朴美容的 旬の植物水

地元の旬の植物には、その季節を生きるのに必要な栄養が含まれています。

ビタミン、ミネラル、アミノ酸はもちろん、サポニンやポリフェノール、フラボノイド、フィトケミカルなど、ひとが健康に生きるのに欠かせない栄養素をたっぷりと含んでいるのです。

命そのものである植物は、そのままが「完全栄養食」。

植物から抽出されたエキスは、色々と組み合わされて(処方して)一つの化粧品がつくられるわけですが、

そんなことをしなくても、ひとつの植物まるごとが、実はそのまま完璧な処方の化粧品。

だから季節の旬の植物まるごとを、植物水にして肌に注ぎこみます。

例えばそれは、ヘチマ水やお米でつくった日本酒を薄めた化粧水、柚子化粧水などとして、昔から活用されてきました。

ケミカルな成分を一切含まないから肌に負担をかけませんし、抽出のための薬品も使わないから環境にもやわらかい。

これらの植物水は化粧水として肌につけるだけでなく、飲んでもすばらしい美容ドリンクになります。

以下は、そんな植物水の一覧表です。

早春:白樺樹液

極寒を生き抜いた白樺から、春先の3週間だけ採れる貴重な樹液。ビタミン・ミネラル・アミノ酸に加え、冬の赤いほっぺを鎮めるキシリトールやサポニンを含む力強く芽吹く生命力が、寒さと乾燥で枯れつつある肌を復活させる。多くのオーガニックコスメに、ベース成分として配合される。



春:蓬

東洋ではお灸、西洋ではハーブの女王として広く活用される。肌には傷の手当てや痒み止めとして使われてきた。美容効果としては、クロロフィルが血行促進、末梢血管の拡張作用により代謝がアップ。デトックス作用により老廃物を押し流す効果もあるので、冬に停滞した肌の新陳代謝が高まる。


梅雨どき:十薬(どくだみ)

十薬と呼ばれるほど多様な薬効を持つ。湿気の多い環境を好むことから分かるように、梅雨時など湿度の高い環境でもベタつかず保湿する。どくだみに含まれるフラボノイドは抗炎症・抗菌性・抗酸化作用があり、ニキビ・吹き出物・肌荒れによい。白い花には美白に活用される。


夏:西瓜(すいか)

活性酸素を除去してシミやシワを防ぐリコピンや、血行を改善するスーパーアミノ酸・シトルリンなど、保湿成分をたっぷり含んだ水分が夏の乾いた肌をしっかり潤す。毛穴に有効なビタミンAも含み、使い続けると毛穴が目立たなくなるという口コミも。


秋:糸瓜(へちま)

日本伝統のへちま水は肌を白くする効果から「美人水」と呼ばれる。 ペクチン・多糖類・アミノ酸が肌を保湿しながら、皮膚細胞を活性化して抗炎症効果もあるサポニンが日焼けやほてりを鎮めて、夏のダメージがシミやくすみとして残らないように働きかける。保存料など化学成分なしでも製品化できるので、肌への刺激が少なく、敏感肌でも使える。



晩秋:黄烏瓜(きからすうり)

枯れた秋の林に、ポツンと成る黄烏瓜は、昔から手肌の荒れに民間療法として使われてきた。黄カラスウリの実には、肌の修復機能や乾燥肌の改善機能があると言われており、肌に炎症が起きているアトピー肌・敏感肌・肌荒れなどに効果的です。特に肌が不安的になりやすい敏感肌でも安心して使える。赤ちゃんのお尻の荒れや汗疹を防ぐ昔のベビーパウダー、天花粉は、この黄烏瓜からつくられた。


冬:日本酒

冬にできあがる新酒に含まれる天然アルコールは、滞りがちな冬肌の血行を促進して明るく澄んだ肌に導く。さらに、日本を代表する美白成分、コウジ酸が肌を白くする。アルコールが心配なら、数年熟成した古酒を使う。



冬:柚子

柚子の種を焼酎に漬けた柚子化粧水も、ずっと昔から愛用されてきた。柚子のペクチンが肌を包み、内部に潤いを送り届ける。この化粧水をつけるようになって、長年の乾燥肌が解消されたとか、シミができにくくなったという声は多い。



使い方のコツ

同じ植物水をずっと使うより、季節ごとにつけるものを変えたほうが効果的です。

これは「化粧品を変えたら肌がグッときれいになった」というのと同じ原理。いつもと違ったアプローチに肌は反応します。

だから季節の植物水を使い切ったら、その瞬間に旬を迎えている植物水を取り入れてみて。

肌は、「待っていたのはこれ、これ!」と、きっと素直に反応してくれます。

また、「なるべく地元の、もしくは似たような気候の土地のもの」「暑い季節には暑い地域の、寒い時期は寒い地方もの」「オイリー肌は暑い地域の、乾燥肌なら寒い地方のもの」をお選びください。

☆とはいえ「肌が弱くて黄烏瓜水しか使えない」といった場合は別。黄烏瓜は、ものすごい敏感肌やアトピーの方に愛用者が多く、一年を通してこれしか使えないというリピーターがいます。そういう方は刺激の少ない黄烏瓜のローションを継続しながら、腸や肌の善玉菌育成に励んで、徐々に健康なお肌を取り戻していかれてください。

☆保存料の代わりに焼酎など自然素材のアルコールが配合されている場合、一般的な化粧品のアルコールに反応する方はご心配だと存じます。その場合は保存のためにローズマリーエキスやヒバの蒸留水(ヒノキチオール。ローズマリーエキスに反応する方も多いので、日本の素材であるヒバなど抗菌作用のある木の蒸留水が活用できます!製造者の皆さま、ぜひ!)を使用したものがおすすめです。とはいえ、自然に醸造されたアルコールの場合、数年寝かせるとアルコールの肌当たりがやさしくなるとも言われています。

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