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【イタリア・コロナウイルス】2020年4月23日における市民保護局の発表

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↓本日の投稿

局長による発表

本日記録されたデータはかなり喜ばしいものです。記録が開始されて以来、初めて回復者の人数が一日あたりの感染者の数を超えました。これまでの全ての感染件数の合計は18万9973件で、昨日と比較して2646件の増加となっています。一方で、回復者の数は昨日と比較して3033名の増加となりました。これにより、回復者の合計は、57576名となっています。これに続いて、医療機関の負担も軽減し続けています。今日付でウイルスに陽性反応を示している人々の数は、10万6846名で、昨日と比較して851名の減少となりました。このうち、2267名が集中治療を受けており、これは昨日と比較して117名の減少となります。また、全体のうち2万2871名が症状が確認されていることから病院で入院しています。この数も、昨日と比較して934名の減少となっています。大多数の陽性患者は、症状が軽度あるいは未確認のため自宅で療養しており、その合計人数は8万1710名にのぼります。これは、割合で言えば全体の76%にのぼります。なお、本日は464名の方がお亡くなりになりました。

本日より、この記者会見の場および我々の公式ホームページにおいて、新たに検査が実施された人々の人数に関するデータも公表されています。今日までに検査を受けた人の人数は、105万2577名にのぼり、実施された検査数は157万9909件にのぼります。実施された検査数は、昨日と比較して6万6658件増加しています。

当局あての募金については、本日までに1億2988万9634ユーロにのぼりました。このうち、本日付で7125万7000ユーロが防具および呼吸器の購入に当てられています。

軍の協力体制については、本日1万7250名ものボランティアが医療関係者、軍関係者、警察、消防士、地域行政等の支援を行なっています。こうしたボランティアの方々は、緊急事態が発令されたその直後からこれらの活動に参加しており、極めて重要な存在です。これまでのボランティア参加者数は、50万人にのぼります。

病院および刑務所に設置されているプレ・トリアージ用のテントについては、885台に留まっています。

なお、先日から募集を行なっていた在宅介護者の募集が終了いたしました。これらの方々は、身体に障害をもつ方達の介護を行うほか、刑務所や介護老人福祉施設への派遣が予定されています。この枠の応募には、締め切りまでに2万491件の応募がありました。加えて、医療従事者の募集も終了し、こちらには691件の応募がありました。これらの方々は、支援と必要としている人々のところへ迅速に派遣される予定です。

教授による発表

本日もこれまで通り、先にBorrelli局長が言及されたデータに基づいて、3つの考察を行いたいと思います。

最初の考察は、4月5日以降のウイルスの拡大状況についてです。4月5日以降、ある一日を除いて、入院患者数は常に減少傾向を示しました。また、4月3日以降については、集中治療室で治療を受けている患者数についても、一貫した減少傾向を見せています。より具体的なデータに言及しますと、4月3日の段階で4068名だった集中治療室での入院患者数は、本日2267名にまで減少しています。

さらに、本日は陽性患者数が継続的に減少傾向を示してから、4日目になります。また、幸いにも4州においては本日死亡者が確認されなかったことに加えて、他2州では亡くなった方が1名に止まりました。

明日、これらのデータについては、国立衛生研究所のBrusaferro教授によってより詳しく解説されることが予定されていますが、私からもお伝えしておきたい重要な点が一点あります。最近、複数のニュースサイトでも記載されているようですが、R0・感染指標と呼ばれる感染の広がりを示す指標についてです。州ごとのデータについては明日詳細が発表されると思いますが、現在この指標は0.5-0.7の推移を示しています。したがって、前回私がこの指標についてお話したとき、この値は0.8を示していたので、そこから若干の減少が見られるのです。

次に、2点目の考察を行います。これはAIFA(イタリア医薬品庁)の極めて重要な活動に関わるものです。本日、AIFAは114件の研究を評価し、そのうち26件が高い評価を得ました。そして、うち13件はすでに承認が進められています。このことは、何度も繰り返しお伝えしている通り、AIFAの極めて優れた業績を端的に示していると考えられるでしょう。一方で、この評価基準が厳格であることもお伝えしておかなければなりません。事実、114件の研究のうち、51件はその結果が基準を満たしていないことから、審議にかけられています。ただし、言うまでもなく、このことは、今回のような緊急時にあっても、AIFAが行なっている評価活動がその効率性と厳格さの面で均衡性を保っていることが示しています。この厳格な評価基準は、患者に対して最善の処置を行うため、病院で必要とされている薬剤を確実に供給することを目指して実施されているのです。

3点目の考察は、ほとんど免疫学に関することで、具体的には有効なワクチンの同定作業についてになります。というのも、本日、2種類のワクチンに関する新たな有益な情報がアメリカ、イギリス、ドイツ、そして中国から発表されました。これらの発表は、ワクチンがその発展途上にあるということを示しています。しかし、ワクチンが発展途上にあると言っても、これらのワクチンがすぐに販売され一般に流通するというわけでは全くありません。これが意味しているのは、単純にワクチンが必要な人々に対して、免疫学的な観点から何らかの解を示すことができるということを意味するに留まります。

繰り返しお伝えしているように、ワクチンの効能の安全性とその効果を明確に把握する上で、未だにギャップがあることは確かです。同様に、ワクチン研究として、最も重要な課題を定めること、すなわちコロナウイルスによって生じる症状に対して分析的な解を与えることも欠かせません。

今現在、ワクチンを受けた人の保護免疫がどの程度持続するのまだ明確な答えが見えていません。ただし、ワクチン接種については、比較的楽観的な見方ができるでしょう。つまり、(ヒト細胞受容体と比較して)ウイルスとの関連性がより強いタンパク質に対する免疫保護の効果は一時的であるのに対して、ワクチン接種では永続的な効果が発揮されることが期待されます。したがって、我々の戦略は、ウイルスの流行が収まるまで、ワクチンの接種を繰り返すことを狙いとしています。

ここでも、正しい科学的情報を提供することは極めて重要です。繰り返しになりますが、世界中の大規模な研究グループがこのワクチン研究に取り組んでいるということは、非常に心強いことです。一方で、こうしたワクチンの商品化については未だに数ヶ月間の検討の余地があることに加えて、実際の商品化を実現するにあたっては、未だ定義すべき課題も存在しています。

したがってこの場合においても、全面的な協力体制が必要不可欠だと言えます。国際的な観点からも、こうした協力体制は中心的な義務であり、人々の幸福と健康は守られなければならないのです。

*翻訳元:”Conferenza stampa 23 aprile 2020 ore 18.00 – Coronavirus”https://www.youtube.com/watch?v=Em0Ww-DF7yc

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