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【イタリア・コロナウイルス】2020年4月30日における市民保護局の発表

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↓本日の投稿

局長による発表

本日の回復者は緊急事態が始まって以来最も高い数値が確認され、昨日比較して4693名の増加となり、その総数は75945名にのぼっています。全体の感染者数は205463名で、昨日と比較して1872名の増加となっています。現在陽性反応を示している合計患者数は、昨日よりも3106名減少し、10万1551名となっています。このうち、1694名が集中治療を受けていますが、これは昨日よりも101件減少しています。なお、症状が確認され入院している患者数は18149名と昨日よりも1061名の減少となっています。その他大多数の陽性患者は、症状が軽度あるいは未確認のため自宅で療養しており、その合計人数は8万1708名にのぼります。したがって、その割合は全体の80%にのぼります。誠に遺憾ですが、本日285名の方がお亡くなりになりました。なお、これまでのデータから、我々はこのウイルスによる緊急事態が新たな段階に入ったと判断したため、週二回行われていた記者会見を打ち切ることに決定しました。もちろん日々のデータ更新は、これまでと同様に行います。

当局の業務では、この緊急事態に呼応して、ボランティアの方とともに予防に必要な管理の支援を行ってきました。都市封鎖に伴う港および空港の閉鎖後、空港特に空港では400万以上の乗客、そして港では19万人の乗客に対して感染状況のチェックを実施しました。外務省危機管理部隊所属の空軍の皆さまには、中国・武漢に取り残されていた国民および日本のダイヤモンド・プリンセス号に乗船していた国民を帰還させるにあたって多大なご協力を賜ったことに、心より感謝申し上げます。

軍関係者の方々は、今回のウイルスによる緊急事態を最前線で対応に当たっていた医療従事者の方々に寄り添いながら、非常に重要な業務を遂行して頂きました。警察の方も同様に、ピアチェンツァ、クレモーナ、イェージの軍施設の近くにある野外病院の建設に携わって頂きました。

これまで様々な組織のボランティアによって検査施設が設立されたについても、改めてご報告申し上げます。特にベルガモの全国アルピーニ協会、そしてクレモーナにあるNGOであるサマリタリアンズ・パースによるボランティアの協力で建設されました。

また、他の重要な活動として当局による中央遠隔緊急オペレーションシステムがありました。このオペレーションシステムを通じては、116名の患者のうち38名がドイツに搬送されました。ドイツ政府には、ロンバルディア州の病院が危機に瀕した際、その負担を軽減しようとご協力頂いたことに心より感謝申し上げます。なお、ヨーロッパ内外を問わず、我が国に支援物資や医療支援、医療関係者の派遣をして下さった国々の援助もありました。これら全ての国々に感謝を申し上げます。

この点において、各国が行ってくださったあらゆる支援に感謝申し上げます。というのも、各国から寄せられた支援は、まさに我が国が危機に陥っていた際に行われたもので、大変大きな支えとなったためです。なお、当局によるボランティア活動はまさに国家としての活動ですので、今後も継続される予定となっています。ボランティア活動に参加してくださった人々の数は、本日までに72万人にのぼります。彼らは、今回の緊急事態にあって、救急病棟のサポートを行ったほか、医療従事者の支援も行いました。

なお、4月24日には最も多くのボランティア参加者が募り、合計で2万1624名にのぼりました。さらに、新たなボランティアのあり方として、医師・看護師・介護福祉士のタスクフォースを行ったことも極めて重要な経験となっています。最後のタスクフォースでは、1000名が留置所・刑務所、ほか500名が介護施設や障害者施設、そして介護老人福祉施設において支援を行うことになっています。こうした活動は、我が国にとって新たなボランティア活動のあり方を提示するきっかけになりました。

また、実際にボランティア活動に参加した多くの方々が活動終了後に私に連絡をとり、どうすれば今後も当局のメンバーとしてボランティア活動を継続できるか、また当局のボランティア団体への入会方法について尋ねられました。今回、この緊急事態下にあってボランティアに参加してくださった方々が当市民保護局のボランティアに入会し、国家レベルあるいは地域レベルで我々の活動に参加してくださることを心より願っております。

ここで、イタリア国民の皆さまの暖かいご支援についてご報告します。この緊急事態が始まって以来、2つの義援金窓口が開設されました。そのうち、当局への義援金窓口への支援額は、本日までに1億4231万4276ユーロにのぼります。これらの義援金は、これまでと同様、防護服や医療機器に当てられることになっています。また、今回、コロナウイルスの対応で亡くなった医療従事者のご遺族の方々に向けた義援金窓口には、631万815ユーロの支援金が集められています。この窓口については、ご遺族の方々に向けた基金を創設するために、今後も皆様からのご協力をお願い申し上げたいと思います。
そして、ここで亡くなった医療従事者のご遺族の方々にお悔やみ申し上げるとともに、コロナウイルスとの戦いに苦闘した医療関係者全員に、心より感謝を申し上げます。

加えて、あらゆる段階に応じた我々の活動を支援し、指示を行ってくださった各大臣、そしてイタリア政府に感謝申し上げます。

最後に、国内に様々な情報を発信して下さった記者・マスコミの皆様にも感謝申し上げます。とりわけ、RAI国民放送局は他の報道機関にも迅速に様々なデータを提供してくださいました。なお、先ほど申し上げました通り、今後も毎日の情報の更新は当局ウェブサイト(www.protezionecivile.gov.it)にて行われますので、引き続きご参照いただくようお願いいたします。

医師による発表

まずはじめに、イタリア国民の一人として、また技術科学委員会メンバーの一人として、Borrelli局長に感謝申し上げます。コロナウイルスがもたらしたこの未曾有の事態に対して、Borrelli氏がこの厳しい数週間の間に果たした役割、そして心遣いは多くのイタリア国民にとっても心を打つものであったと思います。したがって、私から感謝申し上げるとともに、多くの我が国の国民を代表して改めて感謝申し上げます。

本日のデータからは、極めて楽観的な印象を受けます。というのも、データの指標が安定的によい方向に進んでいることを表しているためです。特に、本日は現在陽性反応を示す患者が3000名減少し、医療施設内で回復した患者数がおよそ5000名増加しました。さらに、6州でコロナウイルスによる死亡者が確認されなかったほか、9つの州で本日確認された死者数が10名を下回りました。このことからも、過去数週間にわたって、都市封鎖という現在の措置が我が国の医療システムに対する負担を著しく軽減したことは明らかです。

過去15日間のデータを参照すると、私たちにとってまさにこの点が重要な境界線だと言えます。というのも、この時期から、厳密に適用された我々の措置の際立った効果が確認できるからです。まず、死者が半減しました。その一方で、回復者の数は二倍に増加しています。特に、集中治療室における入院患者数は1/3に減少しました。現在、集中治療を受けている患者数は、半分にまで低下しています。とりわけ入院患者数の面では、著しい減少が確認できます。1ヶ月前と比べれば、その差が歴然であることがわかるでしょう。

このように、我々がここ数日、様々なデータを通して見てきた傾向は、最初こそ楽観的に捉えすぎないようにしていましたが、今ようやく14日間、あるいは1ヶ月間にわたって安定的な傾向を示していると捉えることができるでしょう。

加えて、もう一点ご説明したいデータがあります。それは我が国で現在実施されている検査数についてです。検査することこそが、この感染拡大を防ぐ上で極めて重要な点であると言えます。感染率は現在3%となっており、これは極めて重要な点です。というのも、十分な検査がなされており、それによって感染者が抑制されていることがこの結果から分かるためです。

当然ながら、このことが全ての問題が解消されたことを意味しているわけではありません。感染が確認された人々は隔離されなければならず、彼らと接した人々もチェックされています。そして、これらの人々は14日間の隔離期間に入るからです。とはいえ、今日我々が確認している状況は、ウイルス感染拡大の抑制に成功したということ、そして医療システムへの負担が軽減したという点において、極めて楽観的に受け止めることができるでしょう。そして今、我々は今後数週間・数ヶ月に渡り訪れる状況に対して、それを受け止める準備ができている状態にあると言えます。


*翻訳元:”Conferenza stampa 30 aprile 2020 ore 18.00 – Coronavirus” https://www.youtube.com/watch?v=w3M_EQci5mk

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