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徒然なるブラック企業のお話 No.04

バイト歴も長い自分。Wワークでバイトの掛け持ちもしていたし、給与が少ない会社では土日に日給のバイトもしていた。
そのほとんどのバイト先が基本接客業。
クリエイターにしてはコミュニケーションが大事な接客業を中心にしていた。なので、今でも電話応対はするし、他社とのやり取りもする。だけど、営業だけは本当にダメなので会社員として仕事をしている。
クリエイターであり、オタクという人種でもある自分。
昔のオタクイメージでは、
『暗い』
『喋らない』
『コミュニケーション能力皆無』
よく言われたものである。今ではサブカルチャー文化が浸透しているので、オタクが声を出して「自分はオタクです!」と言えるようになった。たまに見ていてやりすぎなオタクもいるのが辛いところである。
さて、そんなオタクな自分が働いたバイトの人間模様。

■4社目

オタクは本屋が好きである。出来ることなら、本屋で働きたいと考えるオタクも多いのではないだろうか。
実際は本屋のバイト給与は、最低賃金が多いのであまりおすすめはしない。
あと、曲の強いお客もいるので本当に本屋で働きたいのなら、お客に屈しずWワーク覚悟で働いていただきたい。そんな自分は、飲食店とWワークをしていた。働いた本屋は正社員はなく、契約社員が店長の下で働いていたので昇給も見込めない。正社員登用の話もない本屋。

接客業の基本は挨拶である。
「いらっしゃいませ」から始まり「ありがとうございます」まで、全てお客の顔を見て言わなくてはならない。なので、お店に来たら一通りの挨拶を復唱することから始まる。
朝のシフトなら開店前のレジ前、開店後は事務所で行った。
さて、コミュニケーションとは大事なことである。お客とは勿論、スタッフ同士のコミュニケーションも大事である。
さてここで問題が起きた。全く挨拶を返してくれない人がいた。
自分だけかと思ったが、他のバイトスタッフにも挨拶をしない。でも契約社員の人には挨拶をする。そこの線引きは謎にきっちりしていた。
朝イチの開店準備から夕方ぐらいのシフトで、自分と被ることが多かった。
バイト歴が自分よりも長いので、本の補充や新刊を並べた作業をよく見ていた。
この本屋、バイトは基本レジ接客が中心。他の作業はレジ業務を終え、他のスタッフが交代でレジに入ってきた時に他の業務に回されることが多かった。
なので、レジ交代のスタッフが来ない限り、日によってはレジ業務だけで終わる日もあったりする。けど、この挨拶をしない人(以下、ムシさん)をレジで見たことはなかった。
当時は紙の本の売上も今ほど落ちてない時代なので、本屋にくるお客も多く、レジ業務以外の作業が契約社員だけでは回らないからムシさんが手伝っていると思っていた。
だが、普通に考えてムシさんは接客に向いていないから、レジ業務を外されていたと考えたら辻褄があう。もう1人、レジ業務をしていない人がいたのだが、この方はムシさんとは違うカタチであった。少し暗い方で、挨拶はするのでムシさんよりはマシではあった。
ちょっとコミュニケーションが苦手な方だと言うのは働いて分かった。
あとこの本屋、店をまとめる店長が・・・・・・亭主関白みたいな人だった。
そういう店ではなく本屋なのだが、一度契約社員(ほぼ女性)を営業に来た人に向かって「俺の女」と言っていた。
これが冗談なのか本気なのか、バグっている自分には分からない。多分、冗談ではあるとは思う。何故なら自分の女を最賃で働かせている男と考えていると、どんなモラハラな男なのか。嫌過ぎる。
さて、ムシさんの話に戻るのだがシフトが被ると基本朝の商品出しから一緒なので、仕方なく横を通る過ぎる時は挨拶をしていた。
諸事情で辞めるまでそれは続いた。
週4〜5日勤務をしていたので結構被るのだが、最初に書いたように本屋以外にもバイトを始めた。本屋の給与が低いので、Wワークしないと全然稼げない。朝〜昼まで本屋、昼過ぎ〜夜まで飲食店と働いていた。飲食店はそこまで重労働ではないのでよかったが、やはりWワーク。どんなに頑張っても体の疲れは取れなかった。
それも相まって、本屋の朝作業時は微妙に頭が働いてない事があった。本屋の割に開店の30分前には出勤などをしていたのもある。勿論時給は発生しない。だって店内清掃だから。
そんな日々を過ごしているものだから、挨拶をしても返事をしない人を自分の脳は謎に【コイツは挨拶しなくても大丈夫】という誤認識を起こした。

ムシさんを無視した。

意図して無視したわけではなく、ムシさんの横を通る時まではムシさんに挨拶をすることを頭の片隅に置いていたのだが、いつの間にかムシさんを通り過ぎ、自分は違う作業を始めていた。挨拶は大事なことだと思っている自分が、そのような行動に出たことに自分自身驚いた。驚きすぎてその場で停止するほどであった。
まぁ、そのままムシさんの元に戻って「おはようございます」という気にはなれなかったので、その日はそのままであった。戻ってまで挨拶したところで、無視されるのは分かっているのでする気はなかった。
一応だが、ムシさんを無視したのはこれが最初で最後だった。この本屋を辞めた後にムシさんを見かけたが、自分ムシさんの名前を知らなかった。
人間、自分に害がある人の名前は脳のアドレス帳には記入しないようだ。

さてこの本屋、どうでもいい決まりがあった。

・マスクはしない(コロナ禍前)
・フード付きの服を着ない

コロナ禍前の話なので、確かに接客業の人はマスクをしないと言われていた店は多かった。飲食店もそういった店が多かった。
だが、考えてほしい。
コロナ禍前は、風邪を引いても会社(バイト)に来いという企業が多かった。
この本屋もその1つであった。自分自身熱があまり出ない人間な為、滅多に会社やバイトを休めないのだが、鼻水や咳は出る。特に鼻水は酷いもので1日で1箱使い切ることがあるほど酷い鼻風邪を引くことがあった。
でも、熱は出ない。
仕方なくマスクをしてバイトに行ったが、契約社員からは「マスクを取りなさい」と言われる始末。取ってもいいが、鼻水垂らしながらレジ業務することになるのだがそれはいいのか?
思えば、自分が休めばよかった話ではあるのだが、シフトをギリギリの人数で回しているため休むことはできない。あとはバイトなので給与が減るのが痛かった。
なので、自分がしたことは外すように言う契約社員の横で、マスクの中で永遠に「ズー、ズー」と鼻を鳴らしながら必死でレジ業務をすることだった。
面白いのが、マスクをしている人間をレジに置くことは見た目が悪いと思う本屋なので、すぐに品出しのヘルプに行かされた。最初からそうしてほしい。
自分と同じで鼻風邪を引いた人が一緒にレジ業務をしていた時があるが、その方はレジ下にティッシュ箱を置いて鼻を噛む時はしゃがんでしていた。
そのほうが見た目は嫌ではないだろうか?
さらに下手したら手についてるかもしれないと思うとそのレジに並ぶぐらいならマスクの人に並んだほうがまだ安心である。
まあこの本屋コロナが流行しても、結構しぶとくマスク着用してなかったので、顔がきちんと見えない店員が売るのは駄目な考えが根強かったのだろう。
自分だけかもしれないが、本屋で本を買う時はそこまで店員の顔を見ない。
鼻から毛が出てるとかだったら見てしまうかもしれないが、お金の間違えさえなければ良い考えの人間。
あと、フード付き服についてはお客にお辞儀する際にフードが落ちると見た目が美しくないとのこと。一応、服装は自由と募集内容には明記されていた。

ここまで書いておくと、店長は顔を基準で採用をしていたのかと思ってしまうのだが、清潔感と日本語が不自由ではない限り受かっていた。なんだかんだで、入れ替わりが激しい本屋でもあった。
さて自分が辞めた理由である。
ある休みの日に怪我をしてしまった。一応マスクでは隠れるが、頬に数針縫う怪我をした。
さあ、問題なのがこの本屋。マスクは駄目、だがマスクを取ったら頬に傷。
一応書いておくが、今ではそこまで目立たなくなっている。
数日入院をしたことにより案の定、本屋に出勤したら速攻裏方に回された。
裏方に行ったおかげで、本のPOPイラストが描けたのだけは楽しかった。
こちらも好きで怪我をしたわけではないのに、そこまで見た目を重視するのかと呆れた。マスクをすればいいのに、お客もそこまで気にしないと思う。
お客の中には女性店員のレジにアダルト雑誌持って行く人や、新聞だけ買いにくる浮浪者などもいた。前者はさておき、後者においては鼻を押さえるほどの臭いであった為、この時期(夏)は最悪である。
出勤するたびに腫れ者扱いを受けて、どうでも良くなってしまった。
と言うか、店長や契約社員から【辞めろ】という圧に負けてしまった。
何度も言うが、今では言わないと分からないレベルの傷跡である。

さて、コロナ禍で店員がマスク必須になるギリギリまでノーマスクを貫いていたが、商業施設に入っている本屋の為言われたのだろう。コロナが酷くなってきたらマスクが必須となった。
五類に分類されてからは行ってはいないので、今どうなっているかは分からないが、紙より電子。本屋よりも通信販売主流となって本屋の規模がどこまで縮小されているのか。
一応、商業施設内にマップには店名は書いてあったので残ってはいる。

さて、今回のこの文章を書いている途中で現在の会社の社長に風邪を貰った。
咳をするのにノーマスク来るため、その状態で会社に来るなと社員で言っていたのだが「自分は風邪ではない」と頑なにマスクをしなかった。その結果、自分に移り約5日間夏風邪と戦う羽目になった。
今の会社については友人たちにいうと「作り話?」と言われるほど、社長がどうしようもない人過ぎて、文章として書いても嘘だと思われそうである。
いつかは文章にしたいが、本当に作り話のような駄目な会社に入社してしまった。

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