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公学校と小学校。日本と台湾で生活するものとして。

日治時代の初等教育における台湾の教育制度は基本的に公学校と小学校に分けることができるだろう。 統治初期には、清の時代の名残で科挙を目指す人々による漢文などを教授する私塾が一定数存在していたが、段々と減少していき、台湾人子女が通う公学校と日本人子女が通う小学校の2つがその教育の一端を担っていった。 公学校は、その来歴から理解できる通り、台湾人に日本語を教育することが目的であった。 そこには、人種に基づく差別は勿論、初等教育が終了したあとの進路についても大きな制限がかけられ

    • 目的は成長を阻害する。

      もっと私は勉強したい。もっと私は成長したい。というような内的精神を目的は阻害する。 即ち、勉強をすれば君は良い大学院に合格することができるとか、成長すれば彼女ができるよ。とか目的は甘く囁やくのである。そして彼らは目的を達成することがすなわち人生である。と誘導するのだ。更に社会も一定数誘導してくるのである。YouTubeで流れる動画も、人々の会話も、全ては大きな物語としての目的に回収されてしまうのである。 では如何に生きねばならないのだろうか。 目的を否定し、自らの成長だ

      • 非モテ男性オタクによるフェミニズム宣言

        我々は生まれながらの善良な市民でもなければ、高貴な王者の一族でもない。窮境に迫られて、我々は美徳と技術を学んだ。囲い込まれたことは、我々をして世界に立ち向かわせた。善に向かうよう迫られた――これこそが賤民の道徳の系譜学であり、奴隷の復仇の別形態である。 ー呉叡人 「台湾、あるいは孤立無援の島の思想」より 私は加害性のある表現を愛好している。 ここではどのような表現を愛好しているか?といったような内容については、倫理上の観点はもちろん、あえて晒すことにあまり意味を感じないの

        • 台湾。そしてパレスチナ、日本人であると言うこと。2024/04/03

          2021年に台湾の土地に降り立ったその日から私の人生は既に決定づけられていたのだ。と思うほどに私の人生の思考の旅は長く、とても重いものとなっていた。2022年にロシアがウクライナに侵略し世界の均衡が破られた。いや破られたという言い方は国際政治の均衡論に基づいている歪んだ見方であるかもしれない。もともとウクライナを始めとする弱小共同体、周縁に位置する国々はそういった均衡論に長く苦しめられてきたのだ。沖縄、香港、ウクライナ、台湾。国際政治学では決して論じられない周縁に生きる民。呉

        公学校と小学校。日本と台湾で生活するものとして。