【大切なお知らせ】6curryの今後について
6curryの新井一平です。
昨年の9月、6curryKITCHEN渋谷店休業を発表してから、今後の方針について様々な議論を重ねてきました。
休業中にも関わらずメンバーからの声援をいただくことも多く、その言葉が励みとなり、必ず存続させたいという気持ちで、準備を進めてまいりました。改めて、6curryはメンバーと一緒に作って来たんだなと思わせてくれた期間でもありました。
休業期間に決断した事、6curryのこれまでとこれからについて書かせていただきました。是非一読よろしくお願いします。
1.今後の方針について
2023年1月より、6curryの事業主が「株式会社ニューピース(NEWPEACE)」から「加和太建設株式会社」へと変わります。
2018年からスタートした6curryのメイン事業「6curryKITCHEN」は、オフラインでのコミュニティ作りに注力してきました。メンバーと共に賑わいを作ってきましたが、人との交流をメインとした場はコロナ禍の影響も大きく、渋谷・恵比寿の高価な家賃を払い続けることの難しさを、痛感する日々でもありました。
一方で、6curryは東京だけではなく、全国各地にも作りたいという想いがあり、昨年の6月には、店長新井の地元である静岡県三島市で6curryのPOP UPを開催。地方展開の可能性を大きく感じ、三島店オープンに向けて準備を進めて参りました
その場所のオーナーが、静岡県三島市に本社を置く加和太建設株式会社です。加和太建設はディベロッパーでありながら、スタートアップ支援や静岡県東部のまちづくりにも注力している企業です。場を持ちながら街という単位でコミュニティづくりを担っており、この環境下でも飲食事業の展開を進めている加和太建設の元で展開していくことがベストなのではないかと話がまとまりました。
加和太建設の河田社長とのご縁もあり、6curryのビジョンにも共鳴いただくことができ、店長である新井の加和太建設移籍と合わせて、事業譲渡することになりました。
6curryの営業拠点が渋谷から、三島&八重洲(スポット営業)へと変わります
この度、休業しておりました6curryKITCHEN渋谷店を、誠に残念ながら閉店することになりました。オープン当初からたくさんのメンバーと共に創ってきた渋谷店を閉店させてしまうこと、本当に心苦しい気持ちでいっぱいです。
これからは6curryのメイン拠点を三島へと移動し、そこで常設の飲食店を営業します。合わせて、八重洲(東京駅から徒歩2分)にて週1日の営業も行う予定です。
2.これまでのチャレンジと学び
私はもともと趣味として、全国各地で地元の方と一緒に、カレーを作るイベントをしていました。
📝ゴーストレストランと6curryLABの誕生
今から6年前、NEWPEACE代表の高木新平のカレー革命を起こそう!という声かけにより集まったカレー好きと共に「カップカレー」が発明され「ゴーストレストラン」がスタートしました。
しかし、ゴーストレストラン(間借り×デリバリー専用店)はスタートしてから3ヶ月で終了します。私にとってカレーとは、人と出会うためのツールでしたが、効率よく営業する事を目的とした形態に、違和感が拭えませんでした(人生初の蕁麻疹が出るほど体に合わなかったのを覚えています笑)
一方で、仲間と一緒にゴーストレストランを創るプロセスは、刺激的でエンターテイメントに溢れていました。そして「つくる人になると、人生はより楽しくなる」という一本の記事と同時に、みんなで新しいカレーを発明する「6curryLAB」という企画がスタートします。
6curryLABでは、普段出会う事ないような人が、カレーを作る過程でスパイスのように混ざり合う、新しい出会いの日々でした。その体験から「EXPERIENCE THE MIX.」というコンセプトが生まれました。
会員制のカレー屋「6curryKITCHEN」の誕生
コンセプトを体現する場として生まれたのが、会員制のカレー屋「6curryKITCHEN」です。毎日が新しい出会いの連続で、全国各地で旅をしながらカレーのイベントをしていた頃と同じ高揚感がありました。1店舗目の恵比寿店に続き、一年後には渋谷店がオープン。クラウドファンディングでは900万円以上の支援が集まり、毎日賑わいのある場へと成長していきました。
コロナ禍だけではない、コミュニティ運営の悩み
渋谷店がオープンしてから4ヶ月後、コロナ禍による緊急事態宣言が発令され休業を選択。オンラインで集まる場「6curryZOOM店」を立ち上げたり、デリバリーを4チャネル開業するなど、生き残るために出来ることをやりました。
しかし、ZOOM店では既存メンバーの交流場所としては機能しましたが、偶発的な出会いを作る難しさがありました。デリバリーに関しては、目の前のメンバーとのコミュニケーションが厳かになるという致命的な問題が発生しました。
その都度6curryとは何か?に立ち返り、新しい事をはじめては削ぎ落とす事を繰り返してきました。
偶発的な出会いはどうすれば作れる?
多様な価値観を持つ人が集まり、偶発的な出会いがある場所は毎日がドラマで刺激的なものです。しかし、出会いは単なるカレー屋では起きず、そこには仕組みが必要です。
名前と自分を表す単語を書いた名札を作ってみたり、今日の気分を表すごきげんカードなどを実施しますが、会話は急にははじまらないもの。
そこで、出会いをサポートする「MIXSTAFF」「一日店長」「部活動」の三本柱が鍵となります。
MIXSTAFFは、自己紹介から始まり他己紹介を通してメンバー同士をつなぎます。忙しい時でも、来店時の「こんばんは!久しぶり!」、帰り際の「おやすみなさい!いってらっしゃい!」は欠かしません。声かけがあることで、お客さんからメンバーへと気持ちがシフトされ、安心感が生まれ、会話の許容度は高まり、出会いの偶発性は高まります。
一日店長は、自らの得意なコト、好きなコトを経由して人をつないでいきます。部活動は、好奇心が形になった6curry内の小さなコミュニティです。
大人になって無邪気に好きな事を好きと言えることで、好きの連鎖が起き、自然とつながりが生まれていきます。
コミュニティ最大の難関「属人化しない場づくり」への挑戦
コミュニティの多くは、コミュニティマネジャーが場をまわしていきます。6curryにも店長がおりますが、多い時には50名以上が来店しており、ベテランのMIXSTAFFと力を合わせても、飲食オペレーションと並行して新しい出会いを作ることは容易ではありません。
運営側の人数を増やすことで一定のクオリティを担保することはできるかもしれませんが、メンバーの主体性が削られ運営思想が強い場になっていきます。さらには、運営者の属人化が進み、店長不在時のクオリティ低下や、多店舗展開がしづらいモデルとなっていきます。
一方6curryは、6curryLABから「みんなで作る」という文化が根付いていることで、みんながコミュニティ運営者のような動きがおきます。MIXSTAFFと一緒に、入り口で「こんばんは」と挨拶をしたり、エプロンを着てカウンターを超えてドリンクを作ってくれたり、皿洗いをするなど主体的に場を作る側に立ってくれる、そんなメンバーが沢山いました。6curryはそうやってメンバーと一緒に作る文化が、属人化を解消していきました。
時に、いつも一緒の店長やMIXSTAFFがいるという属人化された場は、メンバーにとっては安心感を与えるもの。良いバランスを見つけながら、6curryならではのコミュニティ作りの挑戦は続きます。
3.6curryがこれから目指すもの
地域に根付いたコミュニティ作りへ
渋谷・恵比寿店ではクローズで密度の濃いコミュニティでしたが、三島ではコミュニティを横断できるオープンで多様な人が集まるコミュニティにしたいと考えています。これまでは6curryのメンバーにとっての価値を掘り下げる日々でしたが、今後はそれに加えて「地域」にとっての価値を提供できる場に成長していきたいと思います。
また、三島店がオープンする場所は、スタートアップ事業が集う施設の一角にあることから、この「場」との紐付けも考えていきたいと思います。
6curryの最大の価値は「多様性と密度の濃い新しい出会い」を提供することです。三島市在住の人同士の出会いはもちろんですが、東京のメンバーと三島のメンバーの出会いをどう作るかなども、重要なポイントと考えています。移住や観光だけではなく、外からメンバーに会いにくる人が増え、新しい風が入り込むことで、新しい取り組みが生まれるかもしれません(三島店ではスタートアップ事業につながる可能性も)。そしてヒトとの繋がりが増え、三島をもう一つの居場所と思う人が増えたら、地域にとっての価値と言えるのではないかと思います。
6curryKITCHENは「6curry&〇〇」ブランドへ
これからの店舗作りは、地域ならではのコト・モノと6curry(カレー・コミュニティ)を混ぜ合わせた場づくりにチャレンジしていきたいと思います。三島店では、富士山の雪解け水を使った水風呂とサウナや焚き火を楽しめるコンテンツがあり、出会いのツールとしての活躍を期待していいます。店舗名も「6curry&sauna 三島店」と名づけました。
目指すは「6curry&〇〇」が、プラットフォームとなり「&sports」「&GuestHouse」「&温泉」など、日本全国の地域や場とコラボしながら店舗を展開していくことです。
そして、私自身が日本全国のカレーの旅で得た「帰る場所(居場所)」が複数ある豊かさを、メンバーのみんなが持つこと、それが6curry最大のミッションです。
その他にも三島店では、様々なチャレンジをしていきます
・メンバー数の上限を設定する
・卒業制度(メンバーでいられる期間の設定)
・卒業後のOBとしての来店
・メンバーになれるタイミングを限定する
など、メンバーの流動性と多様性と密度の高いコミュニティを目指します。
※新しい制度については別途noteに書きたいと思います!
※三島店のメンバーは、2月10日から開始予定のクラウドファンディングにて募集いたします。noteにてお知らせしますので、お楽しみに。
4.渋谷店の最終営業について
メンバーの皆さんに、これまでの感謝の気持ちとこれからの事をお伝えする機会として、最後に二日間ではありますが、渋谷店にてイベントを開催します。この二日間を持って渋谷店での営業は終了となりますので是非遊びに来ていただきたいです。
■日時
①2月3日(金) 18時〜22時(LO.21時)
20時頃:店長によるお知らせ
21時頃:写真撮影
②2月4日(土) 14時〜21時(LO.20時)
19時頃:店長によるお知らせ
20時頃:写真撮影
■場所
6curryKITCHEN渋谷店
東京都渋谷区鶯谷7-10 12マンス1皆
※メンバー権利やコインなどの案内については、メンバー登録時のアドレス宛にメールにてご案内しておりますので、ご確認お願いします。
5.最後に(新井より挨拶)
これまで、6curryを一緒に創ってきてくれたメンバーの皆様、コラボレーションしてくださった企業の皆様、足を運んでくださったゲストの皆様、本当にありがとうございました。
メンバーとスタッフの垣根を越えてみんなと一緒に作ってきた6curryは、チャレンジングで唯一無二の場であると誇りを持って言えます。
渋谷店は閉店してしまいますが、三島を起点にまた全国展開を狙っていますので、その時は是非一緒に作っていっていただけると嬉しいです。
これまで、単なるカレー屋ではなく、コミュニティ事業として成長することができたのは、一人一人大切にしている価値観を仕事にして社会へと繋げる文化がNEWPEACEにあったからこそです。このNEWPEACEから培った文化を、今後の6curryでも大切にしていきたいと思います。
今後NEWPEACEは、飲食店の運営からは離れますが、6curryを通して得たコミュニティづくりの経験を糧に、オンラインを含めた新たなコミュニティテック・マネジメントの領域で事業に取り組んでいきます。大きく見れば変わらず同志ですので、引き続き応援よろしくお願いします。
これからは加和太建設と共に新たなスタートを切ります。加和太建設は、一人一人の情熱を大切に新しい事業作りや、みんなで作るまちづくりにチャレンジしている会社で、6curryとしても共感する事ばかりです。
代表の河田社長と話をする中で、これまでの6curryを更に拡張させて、地域に根差したまちづくりに貢献できるようなコミュニティに育てていきたいと思うようになりました。
いつか世界中の元気な街には6curryがある、そんな存在を加和太建設と一緒に作っていきたいと思います。
第一弾である三島店はサウナや焚火もできる環境を整えており、よりつながりを作りやすい空間デザインを目指しています。2月からスタートするクラウドファンディングをチェックしてみてください。
最後になりますが、これからも6curryは「社会的立場に縛られることなく、好きなことを好きと言える場づくり」を通して「停滞や孤独を払拭するつながりと前進」を生み出していきたいと思います。再スタートする6curryを一緒に作ってみたい!という方がいましたら是非お声掛けください。
新たなスタートを切る6curryを、今後ともよろしくお願いいたします。
6curry店長 新井一平
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