【第4話】ホラー幻想小説~四番目の蜘蛛異色物語~
「きっと、そちらにいらっしゃるのでしょうね」
「いいえ」
「お顔を見せてくださいまし」
「いいえ」
障子に映る影が、小さな肩を力なく落としました。そして、とぼとぼと影が障子の向こうへと去って行きました。
どうやら足音は、夜風と衣の擦れる音に紛れてしまったようです。
しばらくすると、次は先程よりも頭一個分大きな子供がやってきました。風に揺れる絹のような短髪と、服越しに覗く細い身体のラインに僕と同じ性を感じたので、きっと男児でしょう。
「もし、もし」
女児に近い