音楽を聴く理由

定時で会社を出ると外は雪が降っていた

定時上がりという最高に嬉しいことが起きたので、頭の中でDemi LovatoのSorry Not Sorryが流れ、強い女として帰路に着こうと意気込んでいた矢先の出来事だった

東京で稀に見る雪、みぞれでも雨でもない真っ白な宙を舞い落ちる雪
とても綺麗で幻想的で、もういい年なのに童心をくすぐられた
雪に魅了されながら聴くDemi Lovatoは全くもって響かなくて、雪が棘になり、まるで今から戦いに行くのかと思うほどの景色になってしまいそうだった（Demi Lovatoはかっこよくて、素晴らしくて大好き）

急いでXGのWINTER WITHOUT YOUに変える
雪が踊るように浮遊し、都会なのにそこはまるで魔法の異世界だった
雪景色が何百倍も綺麗に見えた

次に吉澤嘉代子さんのユキカを聴く
高校生の時に片想いしていた人と雪の中一緒に帰ったことを思い出した
甘くて、少し苦くて、誰かを包み込んでいるようなそうでないようなドラマの中にいるような気分だった

私は普段、音楽をよく聴く
その時の気持ちも景色も思い出としてその曲にのる、映る景色も変わる
自分の中の言語化しにくい感情、気分、状況を音楽は歌詞と音で五感で感じ取れるものに変換し、表現してくれる

素敵な景色をよりきらめかせるために
喜びを2倍にも3倍にもするために
悲しみに寄り添い、アルバムの中の出来事にしてくれるために
自分の中のやる気スイッチを押すために

その時の自分にぴったりの曲を選んであげられるように、たくさんの音楽に触れて、たくさんの曲を知りたい

ラジオでもYouTubeでもない
私が音楽を聴く理由はこれなんだと遠くから輝いて舞ってくる雪を見ながら思った