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GWは、大人の遠足。

今日は、父と柴又帝釈天へ、遠足に行ってきた。

映画「男はつらいよ」の舞台となった場所。父が行きたいと言っていた、ちょっとだけあこがれてたらしい地。

GWはどこに行くのもお高い。海外へ行こうかなあなんて考えていたのは、ほんの一瞬だった。だったら、東京を観光するいい機会だと思ったのだ。

「ここ、映画の撮影に使われたお店だって」
「おっ、草だんご食べて行こう!」

都内にしては意外と遠い下町(そりゃ県境だからそうだ)に着くと、参道からにぎわっていた。いたるところに、寅さんがいる。

わたしはあまり「男はつらいよ」に詳しくないけど、知らない町を歩くのはすきだ。しかも、できたての草だんごまで売ってる。あとおせんべい。おいしい。


それから、山本亭という日本庭園のあるところで、ひと息。ここがとてもよかった。ゆっくりできるし、建築もうつくしかった。しかもゆっくりお茶を飲みながらお庭を眺められる。

写ルンですで写真を撮りながら、散策して回った。父の『遺影コレクション2019初夏』という名目で、また写真が増える。

写真を撮っていると、数年後、数十年後のそのひとのお顔の幻想が見えるときがある。しわや白髪が増え、顔が柔らかくたるんで、もっとおじいちゃんになった父。いつまで撮れるのかなあ。今日もこうして撮れてありがたいなあと思いながら、軽いプラスチックのシャッターを切る。

矢切の渡しがある土手に着いたときが、いちばん父が興奮して見えた。「ここだよ」とあたりを見渡す。そうなのかあ、とわたしはそんな父を撮る。

家に帰る途中、買いものに寄りたいという父に付き合って新宿で降りると、買いたいと言っていたのは、わたしのものだった。誕生日だから、ということで。ちょっと高価だったから「大丈夫だよ」と断ったんだけど、その気持ちがうれしいなと思った。

夜は一緒に焼肉を食べた。お肉を焼いてあげて、とくに何の話をするのでもなく、「おいしいね」と笑う。ただただ平和で、ありがたい一日だった。

こんなお出かけを、もっとさせてあげたいなあ。

って書きながらまたわたしは今日がうれしくて泣いてるんだけど、涙腺がどうかしている。プレゼントを考えてくれてた気持ちにグッときて、電車のなかでも泣いてしまった。父にバレたくなくて、眠いふりをしていたんだけど、たぶんバレてないと思う。

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