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なにか誕生日プレゼントに欲しいものはないの?

父が聞いてくる。6月6日で32歳になる娘の誕生日を祝おうとしてくれる。横浜と長崎で離れた場所に住んでいるのに。

こんにちは、こんばんは。くりたまきです。

わたしはといえば、2月2日の父の誕生日には連絡してお祝いはしたものの今年はなにもプレゼントしていない。ゾロ目の誕生日同士ということで、もうおあいこ、プレゼントなしでいいんじゃないかしら。

「なにか誕生日プレゼントに欲しいものはないの?」

とくにないので、すこし前に聞かれて流してしまったんだけど、父から2回目の質問。去年はスニーカーを贈ってくれたんだった。父はバスケやってるとこ見たことないけどマイケルジョーダンが好きだったし、G-SHOCKが好きで一時期集めてたし、ずっとスニーカーが好きだ。

わたしも父の誕生日に去年はなにかあげた気がする、たぶん。

「新車?新車買っちゃう?」

ふざけて父が言ってくる。

「うん…わたし実はね…白いクラウンがいいな…」

告白するように真面目にふざけると、スマホの画面の中で父はげらげら笑っていた。車は今のスバルの軽で十分。

なんか手ごろでちょうどいいやつないかな、などと父がわたしに贈りやすそうなものを(というのもすこし失礼な言い方ね)考えてみるんだけど、とくに思い浮かばない。毎年そうだ。これが欲しい、と言ったことはない。

「じゃあさ、逆に欲しくないものは?」

プレゼントの範囲を絞ろうとして、父が聞いてくる。

「そりゃ、うつわだよ」

友だちからなら全然いいけど、父からはいらないプレゼントだ。たくさんの波佐見焼に囲まれて暮らしているし。

「そりゃ、わかってるよ!」

父が笑いながらツッコミを入れてくる。「なんにも思いつかなかったら、勝手に贈っちゃうからね」と脅されて、そこで電話を終えた。

物欲はある。でも、自分で買ってしまう。今いちばん気になってるホットパンだって自分で買うつもりだ。

父から贈られたいものって、なんだろう。

会えないぶん、こういう物々交換みたいなやりとりを楽しみたいけど、親子って難しい。まったく思いつかない。

本当はわたしが住んでる長崎県波佐見町に遊びに来てもらって、一緒にぶらぶらして、ちゃんぽんを食べて、温泉行って、蛍を見に行って……って過ごせたら、それがいちばんいいんだけど、そうもできない。

さて、どうしよう。

わたしはプレゼントもらうことについて考えるのを置いといて、今年の自分の誕生日をどう企画するか、すこしだけ考えはじめた。

30歳は新宿ゴールデン街のBARで写真の個展とあわせて自分による誕生日会をひらいた。(来てくれたみなさん、ありがとうございました)

31歳は波佐見に引っ越してきてすぐのことで、自分でケーキをやいてのほほんと過ごした。これはこれでいい企画だった。

今年は「なんかプレゼントしたいな」と思いはじめている。この世の中で無事に誕生日が来るってだけで、ありがたいことだし。なにかしら、しあわせのおすそわけにプレゼントを配れないだろうか。まあまだ、企画段階なのでわからないけど。

楽しんでいきたいな、せっかくだから!

さいごまで読んでくださり、ありがとうございます! サポートしてくださったら、おいしいものを食べたり、すてきな道具をお迎えしたりして、それについてnoteを書いたりするかもしれません。