「鳩サブレー」豊島屋さんの包装紙をうつわに絵付してみたい。
「これ、うつわに描けるかも」と妄想することが習慣になりつつある。そしていまは、お菓子の包装紙の鶴を描いてみようとしている。「鳩サブレー」で有名な、鎌倉にある豊島屋さんの包装紙だ。
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こんにちは、こんばんは。くりたまきです。
絵付教室に通いはじめて、先生のお手本を写しながら絵付を勉強してきた。なんでもかんでも目に映るものが絵柄に見えてきたり、いまでは見かけない古い絵付の柄を発見して興奮したり、楽しく暮らしている。
そんなわたしが、最近心ひかれているのが、豊島屋さんの包装紙。
帰省したときに買って、波佐見にお土産で持ってきた鳩サブレーの包装紙をこんなふうに大切に使ってくれたおばあちゃんの手元を見ていて、そういえばこの柄かわいいなあと思ったのだ。
鳩サブレーのちょっとポップなイメージとは違う、和風な鶴の絵柄。写実的になりすぎずほどよいおしゃれ感で、主張しすぎず上品な金色の線がうつくしい。
これをうつわに絵付してみよう、と思った。
なかなか難しい。試行錯誤して、線のよい部分を探していく。嘴はすらっと、羽の曲線は優雅に、脚の先までバランスよく。線はできるだけ細く保つ。
パッと見たときよりも、その絵柄を細かく観察して、具体的にどこか「よい」のかを分析した。実際に手を動かしたからこそわかる魅力って、あるのだ。
もちろん、これは絵付の練習でやっていることで、仮にこの鶴を描いたお皿ができあがっても売ったりなんかしない。豊島屋さんの柄だし。子どもがアンパンマンの顔をスケッチブックに描くのと似たようなものだ。
横浜出身のわたしに馴染み深い鳩サブレーのお店の絵柄を、住んでいる長崎県波佐見町でうつわに描く。楽しい。
わたしは、豊島屋さんを信頼している。
世の中のいろんなお菓子がちいさくなるばかりだけど、豊島屋さんは昔からの型を使って、大きさの変わらないサブレーを焼き続けてくれている。食べ応えばっちりで、やさしい安定の味。決してわたしたちを裏切らない。
さらに豊島屋さんへの信頼が熱いものになったのは、2014年ごろだった。
豊島屋さんは鎌倉市の海岸3カ所の命名権を購入したのに、海岸の名前をそのままにしたのだ。地元の人に愛される「由比ガ浜海水浴場」「材木座海水浴場」「腰越海水浴場」を、そのままの名前にした。命名権は年間1200万円で、鎌倉市と10年の契約を結んだという。
なんていう金額……なんていう決断……!
企業名がドドンと大きく使われる施設名は増えている。全部ではないけれど、なかには、これまでの愛着が消え去るような名前も、情緒や品のない名前もあるように思う。
豊島屋さんの決断は、カッコよく見えた。豊島屋さんがさらに好きになった。
そんな思いも勝手に込めて、いちファンとして包装紙の鶴の絵柄を描きたい。
カッコいい豊島屋さんは、つくるものがおいしいもんね!鳩サブレー万歳!
30minutes note No.969
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