ちゃんと傷ついておかないと、長引くよ。
この言葉を聞いたとき、ハッとした。傷ついたじぶんを騙したり、無視したり、虚勢を張ったり……そんなことばっかりしてきた自覚があったからだ。
こんにちは、こんばんは。くりたまきです。
「ちゃんと傷ついておかないと、長引くよ」
それは、こんな流れで言われた言葉だった。
「あなたは繊細で、だけどそれを無視しようとしているところがあるよね。繊細でいるとつらいこともあるけど、そのぶん細かいところが見えるわ」
彼女のわたしを見つめる視線は、清やかなうつくしさと、ものごとを超越した静謐と、ほんのり少女のごとき輝きが宿っていた。切り込んでくる言葉の鋭さは、そのまなざしとテンポの良い口調で、どこまでも心地よい。
「あのね、傷ついたときは、ちゃんと傷ついたほうがいいの。そのとき、その感覚をきちんと受け止めて、悲しんで。ごまかしたりすると、いつまでも痛んだり、ぶり返したりしやすい。ちゃんと傷ついておかないと、長引くよ」
スパッと切れ味の鋭い刃物で一太刀した傷口と、刃こぼれした刃物でなんども殴るように切りつけた傷口を、頭のなかで思い描いた。前者のほうが、傷の治りは早いだろう。彼女の言葉に、うなずいた。
そんなことを、ふと今日思い出した。
ちゃんと傷つき、悲しもう。
それは、
ちゃんとよろこび、楽しむための
時間を増やすことにもつながるから。
あなたは、泣いているだろうか。
つらいことがあったとき、
つらいとこぼしているだろうか。
悲しむあなたを、いま
言葉で抱きしめてあげられたらいいのだけれど。
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