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一歩ずつ階段を登るように、修行する。

はじめは、心のどこかで仕事の一環とも捉えていた。絵付師さんにインタビューもするし、商品開発にも携わっていきたいし、絵付を習うのはプラスになるだろうと。いまは違う。

こんにちは、こんばんは。くりたまきです。

波佐見町という、焼きものの産地には、手描きで絵付をする職人さんたちがいる。少なくなってきてはいるものの、まだまだいる。絵付の職人を育成するための場もある。

伝統工芸士を目指す人たちもいる絵付教室に、わたしも通わせてもらっている。きっかけは、取材することになった職人さんが、絵付教室の先生だったことだ。ほんとうはろくろをやってみようと思っていたけど、ご縁だと思って絵付からはじめてみた。

▲過去に書いた記事。絵付教室の様子も撮影した。

週に2回、18:30から21:30くらいまで。途中でお茶休憩がある。しっかり学べる場だ。

わたしは今年の3月に体験に行って、4月から通いはじめて、途中ちょこっとお休みしつつ、なんだかんだ半年ちょっと勉強してきた。

その成果が、昨日焼き上がっていた。

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思った以上に、よい仕上がりだった。受け取ったときにびっくりしたくらい。

「先生こんばんは〜。あ、わたしのざくろのお皿焼けてる!……って違うか、こんな綺麗なわけないか、他の人の描いたやつか」

って言ったら先生から突っ込まれた。ボケたつもりはなかったのに。

「お前さんが描いたやつや! 持ってけ!」

わたしの描いたやつでした。焼きものって、その名の通り焼く。窯に入れて1000度を軽く超える温度で焼く。すると、変わるのだ。わたしの目が節穴ということを置いておいても、焼き上がりはどう転ぶかわからないものなのだ。焼いてみてはじめてわかることが山ほどある。

もちろん、よくよく見たら下手なところもあるし、たくさん修正もしてるんだけど、半年でレベルアップしてきた過程を思えば、とてもよくできている。

最初は、紙に真っ直ぐな線を描く練習からスタートした。それから、塗る練習。グラデーションをつくりながら塗るのは難しい。うつわの生地に吸い込ませる絵の具の量で色の濃さも決まるから、細かいコントロールが必要になる。

そもそも難しいのに、立体的なものに絵付をするのはさらに難しい。思い出してみてほしい、バーベキューで自分の紙コップに名前を書くときにガタついて失敗したことを。平面でないものに書きなれた自分の名前を書くことさえ難しいのだ。それなのに、壺に絵を描く? 無理。ということで初心者のわたしはお皿にばかり描き続けている。いずれはほかの器にもチャレンジしたいけど、まだお皿のふちのかすかなカーブにさえ手こずっている。

思うようにはいかない。

けれど、絵付は楽しい。できないことが、ちょっとずつできるようになる。その実感がうれしい。わからないとき、迷うときには、先生や先輩たちがやさしく教えてくれる。わたしよりもうーんと絵付が上手なひとたちが「よく描けてるね〜!」と純粋に褒めてくれる。

やっぱり、焼きものの産地だからこそ、恵まれた環境で勉強できているなあと思う。ありがたいことだ。波佐見の焼きものの歴史400年の先で、恵みを受けている。

一歩ずつ、また修行を続けていきたい。

次に描く絵柄も、もう大体決めてある!今年中に描くぞ〜!

30minutes note No.910

さいごまで読んでくださり、ありがとうございます! サポートしてくださったら、おいしいものを食べたり、すてきな道具をお迎えしたりして、それについてnoteを書いたりするかもしれません。