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バトンズの学校あれこれ

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自分のために、古賀さんが「バトンズの学校」をつくるまでのnoteをまとめたいと思っていました。ところが気づいたら、授業で古賀さんが話していたことにリンクするようなnoteや「これ… もっと読む
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「やらなくてもいいこと」こそが、おもしろい。

「やらなくてもいいこと」こそが、おもしろい。

明後日の土曜、またみんなで集まる。

今年1月末に終了したはずの「バトンズの学校」で、補講を開催することになったのだ。もちろん当初は、そんな予定などなかった。けれども1月末に予定していた懇親会が、コロナ禍により延期となったままだった。それで、もうそろそろ集まっても大丈夫だろうということで集まることにしたのだけれども、せっかくだったら懇親会の前に「補講」をやってしまおう、という判断によって現在、その

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取材者たちからの返事。

取材者たちからの返事。

先週金曜日の夜、「バトンズの学校」のオンライン懇親会が開かれた。

当日の夕方にようやく全員分のフィードバックを戻し終え、缶ビール片手にのんびりと参加した。32人の受講生全員について、もう「○○さんは、△△なところがあるから□□するといいよ」みたいなことが言える。その他大勢はひとりもおらず、みんなが個性と人格と課題とを抱えた「これからの人」だ。しゃべり笑いながら、用意していたビールがどんどん空いて

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アイデアとかイノヴェイションとか。

アイデアとかイノヴェイションとか。

最近「エアコンはつけっぱなしのほうがお得」という話をよく聞く。

いろいろ調べてみると「そういう場面もあるけれど、だからって24時間つけっぱなしのほうがいいわけじゃない」あたりが正解のようだが、最初にハイブリッド車が出てきたときも同じ理屈を聞かされ、妙に納得したおぼえがある。つまり、自動車はその「初動」の段階にこそもっともエネルギーを擁するのであって、そこを電動にしてしまえばガソリン消費量は大幅に

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インタビューというより、おしゃべり。

インタビューというより、おしゃべり。

ほぼ日・奧野武範さんの本が届いた。

タイトルは『インタビューというより、おしゃべり。 担当は「ほぼ日」奧野です。』という。ほぼ日でひときわ風変わりな、というか、ひとり独自路線で黙々とインタビューを重ねている奧野武範さんによる、インタビュー選集だ。もちろん「黙々と」ということばは、インタビューを形容するのにふさわしくない。けれども奧野さんのインタビューと、そこに臨む姿勢はどうも「黙々と」の語がふさ

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「学校」がつくってくれるもの。

「学校」がつくってくれるもの。

土曜日は「バトンズの学校」の第6講だった。

マスクの着用、入場時の検温、アルコール消毒などはあるものの、同じ空間でお互いの顔を見ながら講義できる環境はとてもありがたい。これが初回から最終回まで完全リモートの講義だったら、ぜんぜん違った場になっていただろう。きっと「学校」ではない、「講座」に近づいていたはずだ。しかも通信講座なのだから、場もなにもあったもんじゃない。

上京してしばらく経ったころ、

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技術より、才能よりも、大切なもの。

技術より、才能よりも、大切なもの。

スポーツの世界で考えれば簡単なのだけれど。

じつを言うと最近、ちょっとだけ焦りを感じている。「このままじゃ、いけないんじゃないか?」と思っている。しかもそれは人生ではじめてと言えるタイプの焦りで、われながら対処に困っている。行きつく先の答えはひとつしかないのだけど、その答えがわりと苦しい。でもなあ、そっちに進まないといけないんだよなあ。自分に言い聞かせている。

スポーツの世界ではしばしば「試合

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好きと言えないわたしの好き。

好きと言えないわたしの好き。

なにかについて、堂々と「好きだ」と公言できない自分がいる。

たとえば中学生以来、ぼくはエリック・クラプトンというミュージシャンが好きだった。いや、ビートルズもローリング・ストーンズも、ボブ・ディランもデヴィッド・ボウイも好きだったし、あろうことかオールマン・ブラザーズ・バンドやリトル・フィートまで大好きなレイドバック中学生だった。CCRだの、レイナード・スキナードだの、ザ・バンドだの、マーシャル

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後半戦とマスク、そしてある本の話。

後半戦とマスク、そしてある本の話。

後半戦、突入である。

プロ野球の話ではない。ペナントレースはセ・パ両リーグとも、残り数試合のファイナルカウントダウンだ。大相撲の話でもない。大相撲九州場所は、来月中旬からの開催だ。後半戦に突入したのはそう、バトンズ・ライティング・カレッジ、通称「バトンズの学校」である。全8回を予定している講義中、ついに第5回が先日開催された。

やっていて、やっぱり「マスク」が邪魔だなあ、と思ってしまう。

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ぼくの考える「プロ」の条件。

ぼくの考える「プロ」の条件。

もう後半戦、いや終盤戦と言ってもいいだろう。

いま書き進めている『ライターの教科書(仮)』という全10章の本、どうにかやっと、7章まで書き終えた。残りは8章、9章、最終章。まだまだトンネルは続くけれど、ずっとずっと先のほうに光が見えてきた気がする。ここから先の原稿は、ひと文字ごとに「おわり」を肌で感じつつ、書いていけそうな気がする。

とはいえ最終章まで書き上げるのは早くても2か月くらい先になる

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なんでもできたはずの時間。

なんでもできたはずの時間。

もうすぐ、1年になるのか。

書くことが思いつかず、「去年のいまごろはなにをしていたんだっけ?」と昨年5月の note をあさっていたら、この投稿に突きあたった。幡野広志さんの『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』の刊行から、もうすぐ1年が経つ。個人的にも大好きな本だ。

その後、幡野さんは『なんで僕に聞くんだろう。』という本を刊行し、その連載はきょうも続いている(きょう更新のぶんは

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ペーパーレスの境界線。

ペーパーレスの境界線。

いまのオフィスを借りるときの話である。

小規模オフィスが多数入居する、いかにも「雑居」の名がふさわしいビル。きっと何十・何百の社員さんを抱える企業がオフィスを借りるときとは比べるべくもないくらい審査は簡単なはずだ。それでもまあ、いちおう提出すべき書類はいくつもある。登記簿謄本とか過去数年分の決算書のコピー、銀行口座の写しもたしか、提出したおぼえがある。そのなかで、仲介業者の担当者から思わぬ申し出

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ぼくがいま、やるべきこと。

ぼくがいま、やるべきこと。

少しだけ意を決して、普段あまりしない話をしよう。

この3月から4月にかけて、なかなか原稿が進まなかった。聞き飽きた人も多いだろう。もう1年以上も前からぼくは、「ライターの教科書」的な本を書いている。書き続けている。その執筆ペースがここにきて、ガクンと落ちた。理由はやはり、新型コロナウイルスをめぐる諸々である。

これは大事な本なのだ、という意識は変わらない。自分にしか書けない本だし、自分が出さな

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ひさしぶりの、あかるい話。

ひさしぶりの、あかるい話。

ようやく、あかるい話ができる自分になった。

きのう、ひさしぶりにカッキーこと柿内芳文氏と話した。今月末に発売される瀧本哲史さんの本、『2020年6月30日にまたここで会おう』の話もたくさんした。今回は彼自身、かなりの手応えを持っているようだった。内容はもちろん、本を手に取ったときの装丁がすごい、デザイナーの吉岡秀典さんは最初から「これ」が見えていたのだと知って、あらためてその才能に敬服したと、語

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いい感じの夢を見たから。

いい感じの夢を見たから。

■ 夢のなかで。よしよし、いい兆候だ。寝起きのぼくはよろこんだ。まず、目覚めがよかった。深い睡眠がとれたとすぐにわかる、後腐れのない目覚めだった。そしてまた、見た夢がよかった。夢のなかでぼくは、原稿を書いていた。きのうの続きを書いていた。「あ、ここにあの話を入れよう」とか「こんなふうに説明すればわかりやすくなるかな」とかのアイデアが、いくつか浮かんだ。そうして浮かんだアイデアの大半は起きた瞬間に忘

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