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彼女に逢いたかった、けど、さ

本当は、今日、彼女さんに会う予定だった。

春休みも延びたことだし、彼女さんが東京に来る予定だった。
前から行きたかった京都に行こうと、計画を立てていた。


彼女さんの往復はスカイメイト。

行きは新幹線こだま号。帰りは夜行バス。
ホテルは安いとこ。

決して贅沢な旅行ではないけど、楽しいものになるはずだった。


行く場所も計画していた。

写真を撮るので、フォトジェニックな場所が中心。清水寺を代表とする洛東とか。

嵐山に渡月橋。伏見稲荷の千本鳥居。


私が京都を訪れる際に絶対足を運ぶ、大徳寺もそうだ。

モーニングの憧れ、イノダコーヒにも行きたかった。



でも。


度重なる自粛要請。特に若者はキツめに言われていた。

お年を召した方だってかなり街中で見かけるし、こないだ行ったミスドではご年配の方が四人でマスクもせず語らいあっていた。そのくせしてマスクは買い占める。警察沙汰になる。もうやだこの国

そのうえ若者の定義が曖昧で、どの年代までを「若者」という言葉で言い表すのか、全くもってわからん



だから、京都旅行は取りやめた。

京都の大学でも割と規模の大きい感染があったみたいだし。


東京都を中心とする首都圏では感染者が増加している上に、4月は人事院の御触れによる民族大移動も発生する。


東京からは出るなって言われるし、帰省なんて出来るはずがない。
親戚一同に大迷惑をかけることになるし、私のせいで周辺地域が全滅、なんてことも起こりかねない。

田舎は家々の間隔が広い分、友人同士の繋がりが比較的密接だ。

ジジババは高齢。落ち着くまでは無理だよね。



胸を張って旅行に行けない、素直に楽しめないような気がした。

きっとTwitterにアップしたら炎上するよね

「東京から来はったんですか、えらい遠くから……」って言われそう




ここが遠距離恋愛の泣き所。

国が危機的状況になればなるほど、逢いにいけない。


逢いたいのに、逢えない。


だから、遠距離恋愛はおすすめできない。



この騒ぎが収束したら、今度こそは京都に行く。

着物を着て、ポトレ撮影をする。

また楽しみができた。そう思うようにする。

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