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山林と太陽光発電

 静岡はお茶の産地で有名であるが、山を切り開いて作られ、斜面を利用した茶畑の管理は、高齢となった生産者に管理が大変なようで、最近では放置された茶畑が散見される。

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以前、山の中で撮影していたら、農家の方に「ソーラーの人ですか?」と声をかけられたことがある。それだけ、太陽光発電関係の営業が山間部の地域を訪問しているのであろう。
電気エネルギーの需要は減る事はないだろうし、放置された山林や農地を太陽光発電施設に変えていく事は、土地の有効理由として肯定的に受け止めれれるかもしれないが、設置場所によっては新たなリスクを生むことになる。
 そもそも山林は落ち葉により腐植土が作られ、その腐植土は山の保水力を高めるだけでなく、そこから発生した栄養塩が河川を通して海に流れ込む結果、海藻や魚などの海洋生物が増えることになる。
放置された人工林では、密集してしまい光が入らず、木に枝葉が少なくなったり、地面には下草が育たない。剥き出しとなった腐植土は流失してしまい、木の成長にも影響し風等により倒れやすくなる。そして山の保水能力が低下するばかりか、栄養塩が河川に供給されないことで沿岸の海洋生物の減少につながる。
また、雨が降れば地表流が発生し剥き出しとなった無機土壌が流れ出し、川に堆積することで洪水のリスクを高め、海に流れれば貝類は埋まり、魚の産卵場所を奪い、昆布などの海藻を死滅させることもある。
放置された山林や農地は、健全な森に変える。つまりは自然に返していった方がよほど地球環境に対して良いのではないだろうか。



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