ばいばい、指先のモネ。
とうとうお別れの日が、やってきた。
出会いがあれば、別れがあるのは世の常。
時を共にできるのは、3週間くらいと、あらかじめ決まっていたものの、いざその日を迎えるとなれば、なんだか切ない。
先月末、大学時代からの友人Aちゃんに、指先にモネの「睡蓮」を宿してもらった。
Aちゃんは、会社で働きつつ、独学でネイルを学び、ネイルのお店で働いた後、今は自宅でネイルサロンを開いている。
爪というわずか、1センチ平方メートルほどのキャンバスに再現された、睡蓮。
携帯の画像やら、持ってきたポストカードやらを見せながら、これをイメージして描いて欲しいと頼んだ。
夏らしく透け感もありつつ、モネっぽく水と光と睡蓮と色の混ざりも表現して欲しいという、まあ、今思えばなんとも無茶な注文、、!
細い筆で、少しずつ色を重ね、描かれていく様を息を呑んで見つめていると、終盤、
「ホノグラム、つけていい?」
とのこと。
当たる角度によって、きらきらと煌めく。
すごいなあ、本当に陽の光を浴びた水面のようだなあ、なんて、うっとり眺める。
彼女に指先にアートを施してもらうのは、
これで4度目なんだけど、毎度毎度、期待を超えてくる仕上がりで、仕上がった指先を眺めては、にやけてしまう。
渾身の睡蓮。揺らぐ水面のような混ざりあった蒼。
絵の額縁を表した、くすんだ金色の縁取り。
中世の陶器のような白磁色。
明るい白色には、水滴のようなうねうねがちゅるんと乗っかっていて、涼し気だ。
もうね、わたしが思う可愛い、の大集合。
お気に入りの服があっても、毎日は着れない。お気に入りの鞄や靴だって常には身に着けられない。時間をかけたメイクだって、泡を乗せて指を滑らせればあっという間に流れてく。
その点、ネイルは朝起きてから、夜眠りにつくまで、ずっとわたしと共にある。
「すき」を常に、纏(まと)えることのなんと、満たされることか。
思うように事が進まなかったり、なんだか疲れたなあ、って感じたりするときも、ふと指先を見れば、わたしのためだけに施されたアート。
数秒眺めるだけで、ほんの少し気持ちが上を向く。
ネイルアートとは、わたしがわたしであらんとする、指先のお守りなのかもしれない。
※数週間前にこのエッセイを書いたので、
今はお仕事用のピンク色の
ナチュラルネイルです。笑
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最後に、Aちゃんのインスタをちょっりぴり
宣伝、、!!
Aちゃんは「痛ネイル」と呼ばれる、キャラクターを爪に宿すことを得意としている。
もうね、見てもらったらわかるけど、なんであの小さな面積にこんな綺麗に描けるのか意味がわからないくらい精巧、、、!
あと、わたしがしてもらったようなニュアンスネイルもとっても素敵。
そして、何よりAちゃんは、気さくな性格なので、施術してもらっている間も、気兼ねなく過ごせる!はず!
神戸の垂水でプライベートサロンをしているので、気になる方はぜひぜひ。
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