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【詩】夜蛾【なん歌】

夜蛾

いびつな繭が退廃に蕩けて
生まれ出づるは愚かな夜蛾
だってアタシ
不幸せなくらいが面白いでしょう
嗤いながら愛をふりはらい
黒き翅きらびやかに貶める
洋酒を一滴垂らした造花
ばかなふりして空虚を吸う
不純物で腹を満たしたら
ほとばしる街灯りに翅を焦がし
ちりぢりの身体で路地裏を舞う

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