【中編小説】金色の猫 序・第1話(全33話)#創作大賞2024
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■あらすじ
二〇二一年の暮れ、ネットカフェ生活を送る元ホストの渋沢桂一は、炊出しで猫と老人に出会う。老人はかつて須東零四風という無名の小説家だった。侘しい日日がにわかに活気づくも、ある夜を境に老人は桂一の前へ現れなくなる。さらに猫までも雪に凍えて弱ってしまい、絶望に襲われる桂一を助けてくれたのは神田琴乃だった。やがて彼女と暮らしはじめた桂一だが、このままでいいのか漠然とした不安が付き纏う。少しずつ変わろうとしていた矢先、老人と琴乃の