一百一文字物語20

流星の夜、一人で湖に釣糸を垂らす。
星たちが静かに水面に降る。

「釣るより楽かも知れんぞ」
長老が大きな虫取り網と共に現れた。

二人掛かりで面白いほどに星を掬い上げる。
それは太古の昔から続く、生活の知恵の相伝。

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