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夢日記 大航海

 私の部屋のベッドで寝ていると、パタンと音を立てて部屋の壁がそれぞれ四方に倒れた。いつの間にか天井も無く、私はベッドの上で寝転びながら青空を眺めていた。すると、潮の香りがして海水が流れ込んできた。床に散らばる洋服や読みかけの本は沈んでいくのに、なぜか私が横たわるベッドは波に揺れながら浮かんでいった。私は心地いい潮風を感じながら、このままどこへ行くのだろうと考えた。

 波に流されながら航海を続けていると、海からペンギンの群れが私のベッドに上がってきた。私は体を起こして、小さなシングルベッドになるべく多くのペンギンが乗れるように体育座りをした。ペンギンたちが私のことなどお構い無しに日光浴をするので、私もそれに倣った。

 暫くするとペンギンたちは一匹ずつ海中へ潜って行き、私はまた一人ベッドに寝そべった。ペンギンたちのせいですこし湿っている。それからまたぼんやりと航海を続けていると、不意に海水が引いていき沈んだはずの床が何事も無かったかのように現れた。パタンという音を立てながら壁が四方から起き上がるように私を囲い、いつの間にか天井が蓋をしている。先ほどまでしていた潮の香りも、もうしなくなった。湿っていたはずのベッドもすっかり乾いていた。帰ってきたのか。そう思ったところで目が覚めた。

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