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note公式コンテストに入賞するコツ

謙虚を美徳とし、自分のことをあまりひけらかさないのが日本人である。私も普段はその文化に則り慎ましやかな生活をしている。
目立たぬことを信条として、月見草のようにひっそりと咲くように生きている。

そんないつもの信念からはちょっと外れてしまうことを今日は書いてしまおうと思う。

それは私の経験から考えたことが、もしかしたら誰かの役に立つかもしれないと思ったからだ。

秘すれば花という言葉はあるが、もしかしたらたまには秘すことをやめ、私の経験を参考にしてもらった上で咲く花もあるかもしれないと思ったので書いてみる。


私がnoteで文章を書き始めて一年半くらいたった。
その間に5回ほどnote公式の賞を貰った。PERSOLとnote公式の「#働いて笑顔になれた瞬間」ではグランプリに選んでもらえた。
その他、ZIPAIRtokyoとnote公式の「#一度は行きたいあの場所」と、日本証券業協会とnote公式の「#お金について考えていること」と、トレンドマイクロとnote公式の「#もしも叶うなら」と、将棋ウォーズとnoteゲームの「#将棋が好き」では入賞した。
ついでに言えば、note公式の各種マガジンにも数えたことはないのだがいくつか記事が取り上げられている。

私はもともと文章を書くことをほとんどしたことがなかった。
大学生のころのレポートや卒論以外は、これまでの人生で文章らしい文章を書いたことがない。

しかし、noteを始めていろんな文章を書くようになった。そしていくつかコンテストにも応募してみた。
その中で私はnoteのコンテストで入賞しやすいコツがあることを発見したのだ。
そのコツさえ身につければ文章を書く経験が豊富でなくともやり方次第で賞はとれる。

noteを書いている人の中にはコンテストなんて全く興味もないし、ましてやそれを取るためのコツなんて全然関心がないという人も多いと思う。

しかしコンテストで入賞したいなと心のどこかで思ってる人もいるのではないか。

そんな人のためにちょっとしたコツをご紹介したいなと思う。

もったいぶらずに言うと、ちょっとしたコツとはコンテストに入賞しやすい話の型に沿って文章を書けばいいということである。

私が発見したコンテストに入賞しやすい話の型を短い言葉で説明するならば「他者を介した出来事や経験によって何かに気付き、いい方向に自分が変われたこと」である。
これをうまくまとめるとnoteのコンテスト的にいい文章になる。

これだけでは何を言いたいか分からないと思うので、文章の例示をしてみたい。

例えば、少し前にパナソニックとvoicyとnote公式の「#わたしにとってはたらくとは」というコンテストがあった。

今、ふとこのお題ならこんな書き方があるかなと思ったのでやってみたい。この前たまたま見た、山手線の工事についてのニュースと絡めてコンテストに入賞しやすい話の型にそって即興で書いてみる。



「わたしにとってはたらくとは、見知らぬ誰かのあたりまえになることだった」

先日、山手線に乗ろうと思ったら運休をしていた。前もって鉄道運行情報を調べておかなかった自分を呪いつつ、何で止まってるんだと憤りに似た気持ちも同時に感じた。

仕方なく地下鉄などを使い、迂回して目的地まで向かった。予想外のことに慌ててしまい、心にはモヤモヤした気持ちが残った。

しかし私は運休した理由を知って、自分が抱いていた負の感情を大いに恥じることになった。

なぜならこの日は渋谷駅改善のための運休で、多くの作業員の人たちが短時間で線路の位置を変えようと懸命に働いていたことを知ったからだ。この工事をすることで、渋谷駅がずいぶん使いやすくなるそうだ。

運休が必要最小限になるように、100人以上の人たちが素早く、それでも乗客の安全を守るために丁寧に工事をしていたことをニュースで知った。

私は山手線に毎日あたりまえに乗っていて、安全かつ正確な時間に目的の駅まで行けると何の疑いもなく考えている。

しかし、この「あたりまえ」はたくさんの人によって支えられている。
山手線が毎日安全かつ正確に運行するためには、多くの人の努力がその陰にはある。

今回のニュースを見て私はそんなことに気がつくことができた。
私たちの生活の「あたりまえ」の裏にはたくさんの人がいる。「あたりまえ」の生活には多くの人の力が必要なのだ。

これは私の普段の仕事への考え方にも大きな影響を与えた。

私は小型半導体のチップをさらに高機能かつ小さくするような研究をしている。
仕事にはやりがいがあると思っていたのだが、最近ふと虚しくなることがあった。

まず、私の仕事を職場以外の人に説明するのが難しい。半導体の研究をしていますと言うとだいたい「すごいですね」と言ってもらえるのだが、どんな仕事かということを正確に伝えるのは難しい。半導体ってなに?というような反応がほとんどである。

また、研究の過程は失敗が圧倒的に多い。100回トライして1回でも成功すればいいくらいだ。

最近は上手くいかないことが続いていて、一体自分は何をしているのだろうかと落ち込んでいた。私の仕事に何の意味があるのかと。
そして、半導体をほんの1ミリ小さくしたところでどんな意味があるのだろうかと根本的なところで悩んでしまっていた。

しかし今回の山手線のニュースを知っての気付きは、私を勇気づけるものになった。
私の仕事もきっと誰かの「あたりまえ」の役に立っている。半導体はパソコン、タブレットはもちろん家電や乗り物などありとあらゆるものに使われている。

例えばほとんどすべての人は「この冷蔵庫は半導体が内臓されているからちゃんと動いていてありがたいな」とは思わないだろう。冷蔵庫がちゃんと物を冷やすのは「あたりまえ」のことで、普段は冷蔵庫のことなど意識しない。
しかしあたりまえに半導体がなければ冷蔵庫は物を冷やさない。

そして冷蔵庫以外の機械も半導体がなければ動かないものがほとんどだ。
私はみんながあたりまえに使っている機械を陰で支えている。
私の研究はみんなの「あたりまえ」の役に少しはたっている。

このように考えられた時、私はここのところ感じていた仕事への憂鬱さや無力感は雲散霧消した。
表立って感謝されなくてもいい、目立たなくてもいい、でもみんなの「あたりまえ」を支えている。そう思えた時に仕事へのやりがいが蘇ってきたのである。

これからも私は「あたりまえ」を支える仕事を続けたいなと心から思えるようになった。

即興で作ったのでだいぶ荒い感じでもう少し内容を濃くして、文章を膨らませなければいけないとは思うのだが、私がコンテストを本気で狙う時はこんな感じで「他者を介した出来事や経験によって何かに気付き、いい方向に自分が変われたこと」を書くようにしている。

もしこのコツが誰かの役に立ったら嬉しいと思う。そして自分もまたコンテストに入賞できるように頑張りたい。

念のために最後に書いておくが、「わたしにとってはたらくとは誰かのあたりまえになることだった」は文章例であり、架空の話で私は半導体の研究はしていないです。
むしろ半導体って何?と思う側の人間です。

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