長編長回し7時間映画サタンタンゴを観た
手放しに大絶賛をできるほどに面白かったかと言われれば、
内容の話ではなく映画として作品としてどう捉えれば良いのかという難しさがあった。
7時間。
飽きずに退屈が無かったかと言われたら素直にそんな事は無い。
いつ終わるのだろうと考える時間はもちろんあった。
けれど同時にハッとする、胸を打つ、焦るようなドキドキする展開が確かにあって。
とてつもなく写実的なのだろう。
人が生きていて、関わっていくリアリティ。
何も起こらない時間がじわじわと、人生のように流れている。
「映画を作り上げるために人を動かしている」
のではなく
「人が動き何かが起こるのを、この映画は待っている」のだと。
それ故の長回し、7時間を要した。
例えば他人の人生を覗いてみたいと思った事がある人ならば(僕はもちろんある)見てみるといいかもしれない。
自分がどうしたって介する事ができない圧倒的な壁と、じれったさを。
けれどだからこそその人に何かが起きた時の待ち侘びていた喜びや驚きを感じるような、そんな映画なのだと思う。
面白かったかと言われたら、わからん。
観てよかったかと言われたら、確実に観てよかった。
サタンタンゴを観なかった僕と、観た後の僕が今日、分かれたのを感じた。
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