「イエスタディ」なんだかHappyなもしも話

【映画note.】
ミュージシャンの活動を諦めた主人公が、世界的な12秒の奇妙な停電のタイミングで交通事故にあう。怪我は大したことなかったが、その後の世界の変化に彼は気づいた。

それは、自分以外誰もビートルズを知らない、アルバムも痕跡も残っていない、つまりはビートルズが全く存在していない世界。

そして彼は、ビートルズを歌う。みんなが感動してくれる。

その後、ありえない展開でありながら、いやに自然にどんどん進んでいく。
夢を叶える？いや叶えてない？いや叶えたのか？
とにかくも、気楽にみられるエンタメ性あふれる映画（あまり細かいことをつっつかないのが鉄則）。

この"なんだかHappy"に感じるのは、
諦めた夢が、いきなり超実現したにもかかわらず、一貫して主人公やその周りが、あまり変わらない。邪悪さとか野心が悪ノリしないというか、基本誠実、のようにみえる。（根本の判断が誠実な人が行動することではないけど）。

となんだかややこしいけれど、小難しい映画では全くない。
ところどころふざけたつっこみも、空気の読めない父親キャラもうざくない。なんだか全くありえないことと、妙に肩の力が抜けた適度にふざけた演出が楽しい、明るい映画。

絶対的なファンタジーでありながら、リアルな心情と妙な親近感があって、そのあたり脚本が絶妙だと思う。

エド・シーランも本物登場。
個人的には、エージェントの女性プロデューサー デボラが、かなりツボ。あの面白セリフのやりとりをやってみたい。もはやコメディ。

元マネージャーのエルはキュート。服も可愛い。と思ったら、
「ベイビー・ドライバー」のデボラ（役名）だ。（え、デボラ、ややこしい。）

そして何といっても、流れているビートルズの楽曲が、全体の心地よさを高めているというのは間違いない。歌は、主人公のヒメーシュパテルが歌っているようなんだけれど、うまいなぁ。（ビートルズファンはどう思うかはともかくとして）

そして、このセリフ。
「ビートルズのいない世界は、たまらなく退屈。」
「でも正しく使ってね。」

確かに。大好きなアーティストが消滅した世界...　考えたくもなし。

ダニーボイル監督作品（トレイン・スポッティング、127時間 など）
2019年 / イギリス

Amazon Videoではじめてみた。基本は映画館で見たいけれど、２回目視聴で見返したい映画にこれはいい（いまさら）。
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