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2020/9/6 物語を科学する

科学の手法の1つに
これ以上分解できない最小単位を明らかにする
という手法があります。
微視的な手法です。

例えば、物質は
分子という最小単位からなることが明らかになりましたし、
その後、原子や中性子といったものが明らかとなり、
その後、原子核や素粒子といったものも発見されるに至っています。

その逆に宇宙を科学するような巨視的な視点もありますが、
今回は微視的な視点だけに着目してみます。

さて、感性に訴えるような”物語”を微視的に科学すると何が起こるでしょうか。
すなわち、物語の最小単位というものは存在するものでしょうか。

物語の最小構成単位は「文字」と言えるでしょう。
文字が集まって「言葉」になり、
言葉が集まって「文章」になり、
文章が集まって「段落」を構成するわけです。

では、段落が集まった後は「1つの物語」と考えて良いでしょうか。
その前に「意味のある段落の集まり」が存在しているはずです。

この、「意味のある段落の集まり」に規則性を見出したのが、
ウラジーミル・プロップです。
プロップはこの「意味のある段落の集まり」には大凡31種類しか存在しないことを明らかにしました。

それらは例えば、
・ 禁止
・ 違反
などであり、桃太郎にしても浦島太郎にしても、
この31種類の「意味のある段落の集まり」の組み合わせに過ぎないことを明らかにしました。

もちろんこれだけおさえておけば良い物語として成立するわけではありません。
良い物語というのは、そこに登場人物の役割なども適切に設定する必要があるので、
31種類の「意味のある段落の集まり」だけおさえておけばよいわけではありません。
しかし、こうやって物語を科学するとまた違った面白さがみえてきますね。

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