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軌道学園戦記ハイスクールガーディアン

──少年よ、宇宙を目指せ。

百年前、宇宙冒険家にして教育学者であったアーサー・クラーク博士の言葉が、学園コロニー建造の機運となった。少年少女は、母星を見下ろす衛星軌道上で勉学に励み、独立独歩の精神を育む。だが──

「ヒャッハー! 学校は解体だぁ!!」

地球圏辺境の不良学生が組織化、スペース・ヤクザやコスモ・テロリストとつながり、宇宙の治安は荒れていた。地球に近いベンウィック学園とて、例外ではない。

ある日、教師たちは全員、警備隊も引き連れ、迫り来る脅威から地球へと逃亡した。不良学生の囮となり、援軍を連れて戻ってくる。校長の言葉を信じる学生は、一人としていなかった。


急接近する三機の人型ウォーマシンがプラズマビームを放ち、防御フィールドに直撃する。生徒会長は歯ぎしりする。

しかし無策ではない。生き残るための希望が、学舎には眠っている。

アーサー博士と12人の仲間が駆ったという伝説のマシンの一機。中庭のモニュメントとして鎮座する守護神を再起動する。

「生徒会長、守護神のシステム立ち上げに成功しました!」
「よし……南棟のバリアを解除! 敵を誘導しつつ、余剰電力を起動に回せ!!」

計画通り。間に合う。犠牲を出さず、窮地を乗り切る。生徒会長が、思ったとき。

「中央棟上方に、高熱源反応!」

聞き返す余裕は無かった。激しい衝撃に倒れ伏し、生徒会室の床から顔を上げると、窓越しに三つ目のウォーマシンが見えた。カメラアイが屋内をのぞき込む。

携行プラズマキヤノンの銃口が向けられる。生徒会長は、その場にいる全員は死を覚悟する。そのとき、斜め方向に光の線が走った。

鋼の悪鬼は、プラズマブレードで逆袈裟に両断され、崩れ落ちる。ウォーマシンの背後から、もう一体の巨人が姿が現す。

「守護神アロンダイト……」

生徒会長は、呆然とつぶやく。我に返り、震える膝を叱咤して、立ち上がる。

「いったい……誰が乗っている!?」

【続く】

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