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【定期テスト対策】羅生門からエゴイズムを考える。

こんにちは。5Days宇品エリアです。


高校生は絶賛テスト期間という学校多いと思います。

(雨によって、休校となっている学校も多いですが、、、)

今日は、高1国語の最初の難関、羅生門について考えたいと思います。

数年前の生徒は、文ストが好きで、きゃっきゃいっってましたが笑。

羅生門、一番のポイントは、下人の心情の変化をしっかり読み取る

そして、主題である、エゴイズムについてしっかり押さえることです。


下人の行動についてみていきましょう。

まず、下人の状況ですが、

4,5日前に仕事を失って、行き所がない状況にありました。


そして、手段を選ばないとすればーーー 盗人になるよりしょうがないと思います。
しかし、それを積極的に肯定するだけの勇気が出ずに、いました。

盗人になるよりしょうがないと思いながら勇気がでずにいた、
下人は一夜を過ごそうとします。そして、老婆と出会います。

そして、老婆が死骸から抜く髪の毛が一本ずつ抜くのを見て、
「恐怖が少しずつ消え」
「老婆に対する激しい憎悪が少しずつ動いてきた。」
「あらゆる悪に対する反感が、一分ごとに強さを増してきた」
とあります。
あれ、さっきまで盗人になろうとしていたのにという感じですね笑。

しかもその理由が
「この雨の夜に、この羅生門の上で、死人の髪の毛を抜くことが
それだけですでに許すべからざる悪であった。」
と全く論理的でないですね。そのときの周囲の状況や、その行為への恐怖さだけで感情的に判断していることがうかがえます。

次に下人の感情が変化するのは、老婆のの行為の意味についての返事を聞いた時です。

「髪の毛を抜いてな、かつらにしようと思った。」
 ↓
「下人は老婆の答えが案外平凡なのに失望した。そうして失望すると同時に、
また前の憎悪が冷ややかな侮蔑と一緒に心の中に入ってきた。」

この心情の変化も、論理的ではなく、感情的ですね。

老婆が死人の髪を抜いた論理は以下のとおりでした。

①悪いことをしたものは、自らも悪い目にあわされても文句は言えない。
②悪いことでも、自らの生存のためにやった行為は許される。

それを聞いた下人は、新しい勇気(盗人になるという勇気)を得ます。
そして、行動に移します。あれ、さっきまで老婆の悪をとがめようとしていたんじゃないのって感じですね笑。

生きるか死ぬかという究極の状況では気持ちが不安定に揺れ、
結局、自己中心的な論理で、自己を正当化して行動してしまう
人間の弱さ、もろさ、エゴイズム、が表現されているといえるでしょう。


羅生門、1910年代に書かれましたが、100年以上経った令和の時代に読んでも、はっとさせられること多いですね。



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