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憧れ

憧れの人は今までいただろうか?

聞かれるから、答えていた
なんて言ったら失礼だろうか

今まではなんとなくテレビでよく見る有名人を答えていたけれど、憧れの人というジャンルが私は理解できなかった。

その人みたいになりたいと思う人が憧れの人なのか、単純に自分がすごいと思う人なのか。

そんな私に憧れの人ができた。

それは昨日、ほんの5分程度言葉を交わした人。

それまでも3回くらい挨拶をしただけの人だ。

その人はアルバイト先の上司で、料理人。

経験も豊富で、技術もあり、立場もある方。
そして、料理人。そんな人には珍しい静かな人。本当に珍しい。
今まで出会ったそういった料理人は、自分に自信があり、声も大きい人が多い。私が今まで出会った人が少ないというのもあるけれど。

その人も勿論自信はもっているはずだけど、すごく謙虚な人だ。

話したことがなくても、仕事ぶりや振る舞いで、その人が考えていることや料理が本当に好きで、自己完結の料理ではなく、ちゃんと相手を思った料理をする人だと分かった。

そして、その人と偶然2人でゴミ捨てに行った。
ゴミを捨てる場所はお店から少し離れていて、丁度5分間程。

最初は2人とも無言で、その人が周りの人に話しかけられても少し笑って頷くだけだとみていて知っていたから、無理に話す必要もないだろう。聞きたいことが思いついたら何か質問してみよう。くらいに思っていた。

しかし、気を遣ってくれたのか、
疲れた?連日働いてるからね
学校はどんなところに通ってるの?
大変じゃない?
他にバイトはしたことがあるの?

など、沢山質問をしてくださった。
そして、私が一つ質問した事にも丁寧に答えてくださった。

ゴミを捨て終わって、店が近付いてからも質問をしてくださり、私が答える為に少し歩くペースを遅くして、話を聞いてくださった。

なんていい人なんだろう。

こういう経験は今まで何度もあったのに、なぜかピンときた。

私はその人の料理を食べたことがなかったけれど、人としても料理人としても、憧れてしまった。

この人と仕事をしたいと思った。

一緒に仕事をしたいと思う事が憧れの一つなのかもしれないと気づいた。

憧れの人に追いつけなくてもいいけれど、認めてほしい。認められて、一緒に仕事がしたい。この人に教えてほしい。

そう思った。

憧れの存在は人を絶対に成長させると確信した。

認められる為に、いつか憧れの人が独立したり、やりたいことを始めるときに一緒にできるようにもっと頑張らなければ。

今はその人の存在だけで頑張れる。
今年の目標は、少しでも認められる事。