【Sellae】何もないエリアにある、何かある店
今宵はSellaeを予約。
13区にあるミシュラン掲載店。
https://sellae-restaurant.com/
オーステルリッツ駅の西側の地区。
この店がなければ立ち寄ることもなさそうな、まあ、何もないエリア。
店までの道を歩きながら、見どころが本当に何もないことに苦笑がこぼれる。
たまたま左岸に部屋を取っていたので、普段なら行かなさそうなこの辺りを中心に店を探してみた。
シックな外観。
快適そうな店内。
入店して名前を告げると一番奥のテーブルに通された。
白ワインを飲みながら作戦を考えよう。
前菜にはアジのセビーチェを取る。
以前にも書いた通りセビーチェは酸味を利かせたカルパッチョのようなもの。
暑い季節にはすすんで食べたくなる。
しかもヨーロッパでアジとは珍しい。
アジは、なんだか苦い。
生臭いとまではいかないが、魚のえぐみを感じる。
細かく刻んであるが、日本のように身がプリプリしているわけではなく、食感に楽しさを感じない。
紅芯大根は酸味と甘味の味つけ。
青いリンゴみたいな野菜が苦い。
エキゾチックな旨味は魚醤だろうか。
色んな味が加えてあるが、総合的に、おいしいとまではいかない。
そもそも、ラディシュを薄くスライスするのは好きではない。
ラディッシュの香りとかみずみずしさが全然伝わらないじゃないかと思う。
メインには仔牛。
何度でも言っておこう。
一番好きな肉は仔牛。仔牛を食べておけば間違いない。
うん、これはとってもおいしい。
さすが仔牛だ。(店に失礼)
麦と香ばしさとグリーンピースの風味が心地よい。
バターのクリームも重たすぎず、バランスが良い。
全体的に良い皿だと思った。
デザートはこちら。
温かいチョコレートの中に冷たいアイスクリームが入っている。
とんがり過ぎず、全体的なまとまりがよい。
岩塩のツンとした塩味が良いアクセントになって、軽快さを生んでいる。
これもおいしい皿だ。
調子に乗ってポルト酒までたらりと飲み干して陶然となる。
前菜・メイン・デザートで42ユーロ。
適格かつフレンドリーなサービス。
味は中の中から中の上といったところだろうか。
立地からして、もう来ることはないとは思うけれども、こういうエリアにこのクラスの店がさりげなくある。
この街の厚みをみる思いがした。
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