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【Hébé】パリの街に挨拶を

パリに着いたのが19時前。
アパートまで辿り着いたのが21:30。
やれやれとスーツケースをほどいて、ようやく落ち着いたころにはもう22時をまわっていた。
長旅の疲れもあるし、お腹はそんなに空いていない。

でもなあ、このまま寝てしまうのもなんだか面白くない。
パリの街に挨拶をしなければならない。
ただいまを言わなければ。
というわけで夜の街をさまようことにする。

すぐに見つけたのがこちら。
ノートルダム大聖堂からセーヌ川を渡った南側のエリアにあるHébé。https://www.heberestaurant.com/en/

モダンでスタイリッシュな外観。
疲れている体には、こういうシンプルな店がいい。

店頭にグルメガイドのゴ・エ・ミヨーのシールが貼ってある。
愛すべきミシュランには載っていないようだけれど、この状況で贅沢は言えない。

予約はもちろんしていない。
時間はもう22:30。
あきらめ半分で、入れますかと聞いてみる。

応対してくれたスタッフが、ちょっと待ってねと言ってキッチンに確認しに行ってくれる。
祈りながら待っていると、スタッフが戻ってきた。
OKとのこと。
救われた。
ちゃんとした食にありつけることが嬉しい。

時間も遅いし、前菜はパス。
タコのリゾット風というのを注文する。

リゾットはアサリで薄く味がつけてある。
そこにグリルしたタコがふんだんに載っている。
パプリカやグリーンピースが入っていて、アクセントにチョリソーが加えてある。
ああフランスだなあ、と思う。
日本的な旨味ではない。
塩味も薄い。
けれどおいしい。
素材のポテンシャルとスパイスの風味で組み立てる料理。
グリーンピースが、ちゃんとおいしいのがわかる。
人間の手でつくった料理とうい感じがする。

フランスに戻ってきた。
そう思わせてくれる皿だった。

これで35ユーロ。
いまは円安で1ユーロ143円ほど。
なのでこの皿が5,000円だ。
高いなー、と思う。

ワインも高い。
調子に乗って頼んだシャンパンは15ユーロ。
2杯目に頼んだ白ワインは10ユーロ。

全部あわせて60ユーロ。8,600円なり。
場所代だろう。

いい感じに酔っぱらって外に出てみるとノートルダム大聖堂が見える。
パリでの生活がまた始まった。
Hébéから始まった。


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