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町の本屋さん


大資本の書籍店が進出して、中規模の本屋がなくなってしまいました。
郊外と呼ばれる地域は同じような状況かと思います。
地元に比較的大きな本屋が二件ありました。
ひとつは、2階建て雑居ビル型の店舗。もうひとつは
個人経営の古本屋。
両方とも教養書、学術書小説、コミック、文庫、雑誌…まんべんなく置いてある店でした。
けれども、近くにチェーンのストアができたのをきっかけに、様相が変わりました。2階建ての本屋はコミックとライトノベルだけの品ぞろえになりました。いわゆる18禁のコミック、ビデオのコーナーもできました。以前は私が大好きな河出文庫が揃っていて落ちついた雰囲気だったのに。
アニメポスターだらけの店内に知らずに入って驚きました。それ以降は一度も店内に入ったことはありません。
ふつうに手に入るメジャーな漫画しか読まない人は、ここでなくてもいいですからね。
しばらくは営業していましたがチェーン店のほうがアニメ専用の別館を建てたとき、廃業しました。
別館ができてから一週間もない、早い決断でした。それまでもギリギリの経営だったのかもしれません。

古本屋のほうはゲームソフトやCDなども売ってたから影響が少なかったのか、営業を続けていました。客が減った感じもしませんでした。
この古本屋さんは自宅から近くて気に入ってました。高価な専門書が300円くらいで売ってたり、掘り出し物が多かった。
入り浸ってました。お得意さんだったと思います。昔は小説も書いていたので創作活動に役立つ本が手に入ったし、亡くなった父の本も引き取ってもらいました。


いよいよTSUTAYAがやってきて
これで比較的大きめな町の書店が全滅しました。

結局、地元に残ったのは自宅が併設された
個人経営の店。シャッターが閉じたままの商店街で生き残った店。お客も経営者も高齢化してるから
売ってる本にクセがある。雑誌は保守系というより
右思想のものばかりです。
あとは歴史とかハム無線、関係。逆にお子様向けの本。
書籍は嫌韓本ばかりです。
マンガさえ置いてなかったり。
店内も暗くて
すっかりネトウヨ御用達書店です。
商店街で生き残っているブティックも「誰が着るんだ」と思うような際立ったデザインばかりだけど、あれは固定客がいてピンポイントで仕入れるんだそうです。
本もそんな感じになっているのかもしれません。
子どものころ図鑑とかシートン動物記とか買ってもらった思い出がありますが、今の品揃えを見るとさみしいかぎりです。
TSUTAYAにしてもお客が減った気がするし
いずれは本屋さんってなくなるんだろうな…
                          END