「井の中の蛙大海を知らず」

ことわざとは、大したモノだ。

齢を重ねて見つけた、
誰かの、たった一つの真実。
無駄がない。それでいて芯がある
正しいから、悔しい。



秋。「撮影」の為、上京。
(業界人の真似事のようで恥ずかしい)

新大阪駅のスタバで、カプチーノを買ってホームを上がる。
自由席は、エスカレーターから遠い。

AM10:10 窓側を選び、荷物を下ろす。
新幹線は、静かに発車した。


お一人様新幹線に胸が弾む。これが2回目。


あれこれ感情に浸りながら、名古屋まで来た。
(あれこれの感情、またいつか聞いて欲しい。楽しみは少しずつ。)


新横浜を過ぎて、品川。
徐々に、東京の街が現れる。
ガラス張りの高層ビル、車窓からは、見切れてしまう。
何故ああも全面ガラスにこだわるのだろう。

私の慣れ親しんだ街とは、少し違う街。
ガラス張りの高層ビルに、驚くことなどなかったのに。

この時は、恰好つけた街に、胸が高鳴っていた。

「楽しもう。一生に一回あるかないことなのだから」
何度も自分に言い聞かせた。


Zara Larsonの”All the Time"を聴いて、高まる気持ちに酔った


PM12:28 品川駅到着

 品川の駅は、想像よりもこじんまりしていた。


東京駅で、降りたかったな。なんて思ってしまった




「撮影」は無事終了。

やはり撮影が好きで、
自分を表現できる場があることは素晴らしい。






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私の知らない街には、
自己を表現し、自信に満ちた者がいた。
「それなりに」、「ある程度」 に甘えていた自分を知る。


憧れが現実になったから、見ることのできた景色だ。
綺麗で、眩しかった。

眩しさが、教えてくれた。
「世の中で、一番になることは簡単ではない」

私は、まだ何者でもなかった。

簡単そうなこと程、理解するのに遠回りしてしまう