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映画【初恋】

製作年 2019年
製作国 日本
配給 東映
上映時間 115分
映倫区分 PG12

【概要】
余命わずかのボクサーが、偶然出会った少女と運命的な恋に落ちる一夜を描いた。天涯孤独の身で類まれな才能を持つ天才ボクサーの葛城レオは、試合でまさかのKO負けを喫し病院へとかつぎこまれた。医師から自分の余命がわずかであるという事実を突きつけられ、自暴自棄になりながら歌舞伎町の街を歩くレオの目に男に追われる少女モニカの姿が飛び込んでくる。ただごとではない様子からレオが反射的にパンチを食らわせた男は…。

【評価】
★4 (5段階評価)

【感想・レビュー】
―おかえり、日本のクエンティン・タランティーノ―

タランティーノファンには不満もあるかもしれないが、やっぱり日本のタランティーノは三池崇史監督だと思う。ただ、タランティーノはいつもタランティーノ節でタランティーノの映画を作るのに対し三池監督は商業映画となると三池臭を醸し出すぐらいでお茶を濁す感じが個人的には残念だったりする。が、この映画はなんだか久しぶりにThe三池崇史を見れた気がした。そのことがまず嬉しかったし、なんだかにやにやした。「久しぶりにやりやがったなこの人感」だ。

私にとっての三池崇史監督と言えば「殺し屋1」。
強烈なバイオレンスとなんとも言えない嫌悪感とか羞恥心とか背徳感みたいな感情をごちゃまぜにしたような気持ちを当時思春期中の私はまともに食らった記憶がある。もはやトラウマだ。

そんな「殺し屋1」までとは言わないがこの「初恋」もまぁまぁバイオレンスではある。「痛っ!」みたいなシーンはまぁまぁあるし過激なシーンもあるが、基本的には三池スタイリッシュに収められているのでスプラッターが苦手な私も目を背けず見ることができた。

さて、作品の中身にも少し触れると、余命宣告を受けた天才ボクサー・葛城レオ(窪田正孝)が、ワケアリの少女・モニカ(小西桜子)と出会った一夜のお話。二人はひょんなことから逃避行へ繰り出す。モニカがヤクザの加瀬(染谷将太)と悪徳警官・大伴(大森南朋)に追われていたからだ。一方で加瀬たちも、“ブツ”がらみで組および中国マフィアから命を狙われていた。こうして、追う追われるの見事な形ができてしまったのだ。

まずは主演の2人。
窪田正孝はその見事にシャープ肉体がめちゃくちゃ色っぽい。余命宣告を受け自暴自棄になりながらもモニカを放っておけない無骨な優しさもなんだかキュートで男ながら惚れてまいそうだった。

小西桜子は初めて見た女優さんだったのだが、非常に良かった。トラウマと幻覚に怯える姿だったり、なんだか放っておけない危うさだったり可愛らしさが全開だった。あのブリーフ男は怖いわな。

そして余りにも濃くて最高にクレイジーに脇を固める面々。

染谷将太は飄々とクズ野郎なのにびっくりするぐらいおっちょこちょいで自分の首をガンガン締めていくので憎んで良いのか愛して良いのか悩む。でも好き。

大森南朋の悪徳警官っぷりもたまらなく小悪党。多分1番振り回されてるのはこの人だが、まぁでも自業自得感がある小悪党。でもなんか好き。

内野聖陽は硬派&武闘派のダブル派閥の頂点ヤクザ。日本刀とタバコでIT'Sバトル!って感じ。もはや好き。

ベッキーのイカれっぷりはこのそうそうたる面子に置いても際立ってたね。めちゃめちゃ良かったベッキー。ベッキー強えぇ 笑。好き。

とまぁ主要面子はこのぐらいと更に濃いい愛すべきクレイジーラインナップがあっちにこっちにハチャメチャやらかして、喜怒哀楽全てごった煮したら、皆勢揃いの「ユニディ」バトルロワイヤルへと進んでいく。

なんのこっちゃと思った方はもはや是非見て欲しい。

久々に見ていて興奮する混沌をどっぷり味わった気がした。ただ、それでも見終わったあとなんだか爽やかな気持ちになったのはこの映画が「初恋」だからであろう。

二人の逃避行で進んでいくのだが最後にふと恋物語を添えられる気持ち良さは中々無い気持ち良さだった。

正直、最近の三池崇史監督の作品も相まって期待値低めで見たら最高に楽しませて頂いた。評価も高めで★4つ!
多分ぼちぼちレンタルもでてると思うので気になった方は是非見てみてくださいませ!

【筆者の一言】
この映画を見た時は違う映画を見ようと映画館に行ったのだけれど時間がやたらあったのでこっちも見てみよーぐらいで見ました。そしたらこんなに面白い映画と出会えた!となんだか凄く嬉しかったてす。こんなひょんな出会いがあるのも映画館の良いところな気がします。

【公式HP】
https://hatsukoi-movie.jp/sp/

【予告】

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