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銀化新人賞 自選20句

 今年、第24回『銀化』新人賞🏆を戴きました。1月号に自選20句を載せていただいたので、ここに転載いたします。読んでもらえたら嬉しいです。

初鳩の徐徐と間合を詰め来る  胡桃

飯蛸が二杯阿闍梨の貌をして

洗脳が解けずしらをの儘でゐる

頭のみとなりて自若や桜鯛

胃酸過多・食欲不振・磯巾着

熨斗の字の〈粗品〉下手糞あたたかし

青梅雨や新患へ説く骨模型

孜孜として蠅取リボン靡かざる

破落戸の如く寄り来る藪蚊かな

コンビニに占める祭髪の割合

キャンプ張る大地の堅さ慥かなり

妻の眉つながりきたる大暑かな

原爆忌陰画に白き人の影

主犯格の男真夏に紛れけり

さぼうるを出てラドリオへ秋の雨

掛けずにをり藤子F忌のドアの鍵

箸いくつお付けしますか文化の日

着ぶくれてフードコートに振る七味

鍋と鍋の間の席や年忘

カッシーニの隙間をあすは目貼せむ

『銀化』2023年1月号より

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