バラバラな個性が集団となって V6を見て思う

【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.90】


学校の試験は一人で受けて、いい成績も悪い成績も自分次第。
こんなことを、小学生から大人になってもずっとやらされる。
ペーパーテストだと、誰かと一緒に協力して解いて、みんなで受かってってシステムはない。

ロボットコンテストをテレビで見てると、みんなで作ってみんなで勝ったり負けたりを味わえる。

でもなんで学校という人生の大半を過ごす場所で、一人で頑張ることを強要されるのだろうか。


もともと人間は、ずーっとずーっとずーっと昔を遡(さかのぼ)れば、集団で暮らしてきた。

人間の脳にとっては、知り合いとして認識して仲良くできるのが150人前後らしい(ダンバー数)。だから、太古はこのくらいの集団で暮らしてきたのだろうと言われる。

それが、文明が発達したのか社会が大きくなりすぎたのか、150人前後の集団が崩れ、どんどん個人化が進んでしまったらしい。
今では、友だちを作ったりすることに相当な困難が伴う。人間が原子(アトム)のようにバラバラになってしまった現代の状態を、人間のアトム化という。

人間が太古の自然の中で生き抜いてきたのは、一人一人の力を合わせ、顔の見える集団で協力しあってきたからなのに、現代では皮肉にもバラバラになってしまった。

だから、現代では、部活とかで学んだ人は別にして、みんなで何かを一緒に作っていくと言う感覚を育てるのは難しい。



その難しいことを26年間やってきたのがV6だと思う。

11月1日に活動を締めくくった後も、岡田准一くんがマスコミの取材に答え、グループ内で意見をぶつけ合っていくことの大事さを説いていた。


V6は、アイドルなもんで、ルックス、ダンスなどのメンバー一人一人のポテンシャルが高いのは当然だ。

これが、V6というグループに戻ってきた時、特にコンサートでは、6人が結集した力を感じる。

というのは、彼らは、コンサートを作るにあたって、メンバー同士で意見を出し合い、ファンにどうやって喜んでもらうかを常に考え続けてきた。

例えば、V6は、コンサートでバック転などを6人全員が行うアクロバットで有名だった。
それが、デビューして長い時間が経ち、メンバーも年齢を重ねてきたことで、アクロバットが減らされた。
だからといって、それでコンサートが見劣りするとか全く感じなかった。いつコンサートに行っても楽しかった。むしろ、アクロバットが減ったというのは、何かで読んで「ああそうだったのね」と気づくような感じだった。

アクロバットがなくったって、華やかな舞台としてファンが楽しめるよう、6人が話し合いを重ね、素人のこちら側にはわからない様々な工夫を積み重ねてきてくれたのだろう。

彼らの個性はそれぞれ違うが、バラバラなアトム(原子)ではない。むしろ、メンバー各々が違う視点から色んな意見を出して、V6となった時は一人では出せない集団での魅せ方を工夫してきた。

彼らは仲がいい。その仲の良さは、きちんと意見を言い合って、集団で良いものを創り上げ、その体験を共有することでまた仲がよくなるというサイクルを積み重ねてきたのだと思うところである。





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