好きな仕事でうまくいく V6を見て考える

【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.80】
 V6の解散予定日まで あと2日


小さい頃、周りの大人から仕事について、「お給料は嫌なことを我慢してもらうものだ」って聞かされてた。初めて仕事に就いたころ、そんなものかなと思っていた。

いや、でも待てよ、仕事は一日何時間も携わってる。一生の中で相当な時間を占めてくる。その時間がずっと嫌なことを我慢なんて、何か変だぞ。


ただ、世の中でまことしやかによく聞くのが「好きなことを仕事にしてもうまくいかない」というものだ。
これも小さい頃によく聞いた。そんなものかなと思ってた。

でも、大人になって色んなものを見ていると、好きなことを仕事にしてちゃんとお金を得ている人がたくさんいることに気がついた。
サッカー選手や野球選手で、サッカーや野球が嫌で嫌で我慢してプレーしてる選手はいないだろう。サッカーや野球が大好きでたまらないはずだ。


アイドルだと、仕事が嫌で嫌で我慢しながら歌って踊っている人は まあ いないだろう。もちろんアイドルとして売れるまで大変だが、それも好きだからやっていけるのだろう。
自分を存分に表現できることは、たまらない充実感をもたらしてくれるはずだ。


V6も、いちファンから見てると、好きで仕事をやっている。
仕事には、舞台もあるが、森田剛くんは、劇団☆新感線の舞台に主演して、舞台の面白さを知った。
劇団☆新感線の側も剛くんを評価して、その後の舞台「IZO」(いぞう)でも、剛くんは主演として呼ばれている。

剛くんは、「IZO」の公演が終わった後のインタビューでこう答えている。

自分としても、やっぱりまだ忘れてないんですよ。最近も、たまにね?  夜寝る前とか布団の中で、たまにIZOが降りてくるときがあるんですよ。で、セリフを言ってみるんですけど。まだ覚えてるし、今のほうがやっぱりうまく言えるんですよね。そう、あの大変だったセリフが(笑)。今の方がうまいんです。
(「Wink up」2008年8月号)

「IZO」は、幕末に「人斬り以蔵」と呼ばれた岡田以蔵を主人公にした舞台だ。純粋な剣士が、信頼していた上司らに翻弄されていく。確かにセリフも多かった。
この時、私は1回分のチケットしか取っていなかったが、ラストシーンを見て、なぜもっとチケットを取ってなかったのかと後悔した。ラストシーンの剛くんの演技は感極まるものだった。
この「IZO」は幸いにしてDVDになったので、買ってすぐラストシーンの剛くんの感情の入った芝居を何度も何度も見直した。

改めて剛くんのインタビューを読むと、剛くんも役にはまり込んでいた。公演終わったのに、まだセリフを磨き上げてるなんてなかなか聞かないぞ。


なので、最近は、「好きなことを仕事にしてもうまくいかない」というのは、あまりにも大雑把な言葉だなあと思うようになった。

好きなことを仕事にしてもうまくいかない、というのは、例えばケーキ作りが好きな人がケーキ屋を開いた時、お客さんが買いたいと思うケーキでなく、自分が作りたいだけのケーキを作っていたらうまくいかないかもしれない(ケーキ好きです、ケーキ屋さんを揶揄(やゆ)しているわけではなくあくまで一例です)。
また、材料費を考えないですごいケーキを作ってしまって、変に安い値段で売ってしまったら、それもうまくいかないだろう。

好きなことを仕事にしているからうまくいかないという単純な図式ではなく、お客さんのことを考えたり、でもしっかり儲けは出すよという経営者的視点があるかどうかに関わっている気がする。

アイドルは、経営的なことは事務所がやってくれるかもしれないが、ファンというお客さんにどう楽しんでもらうかを忘れてしまうと大変だ。顔がよくてダンスがうまい人達はたくさんいる。

V6は、いちファンから見ても、常にファンにどう楽しんでもらうかを考えている。アイドルという好きな仕事をしながら、ファンの思うことを忘れないことが、好きな仕事を続けられている理由だろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?